6月25日(金) 7:00〜

 昨日、お母さんから電話のせいで寝るのが遅くなったが、いつも通りに起きることができた。

 学校に行く準備をして、学校に向かう。

 今日は晴れていたので、自転車で向かうことにした。

 それにしても、もう6月も終わりか。

 ということは、今年も半分が終わろうとしているということだ。

 

「なんだか、あっという間だったな」


 6月は特にそう感じた。

 こうやって、歳をとっていくんだろうな。

 時間の経過は年々早くなっているように感じた。

 学校に到着し、自転車小屋に自転車を置いて、教室に向かう。


「この学校に来るのも残り、1年半か」

 

 3年という月日は長いようで短いな。

 10年後や20年後、俺はどうなっているんだろうな。

 今と変わらず、氷室さんや歩や真美と一緒にいるのだろうか。

 そんなことを思いながら教室の中に入った。


「おはよう」

「おはようございます」

「今日も暑いな」

「ですね。でも、この席は風当たりがよくて、気持ちいいですよ」


 窓際に座っている氷室さんはそう言った。

 窓から入ってくる風が氷室さんの髪の毛を靡かせる。真っ白で美しい髪の毛が宙に舞った。

 

「王野君も来てみてください」


 氷室さんに手招きをされた。

 俺はカバンを置いて、氷室さんの席に向かう。

 席についた瞬間に、朝の爽やかな風が頬を撫でた。


「本当だ。気持ちいいな」

「でしょ。特等席です」

「次の席替えで、この先になりたいな」

「ふふ、次の席替えは夏休み明けじゃないですか?」

「かもな。なら、意味ないな」

「ですね」


 口に手を当てて笑う氷室さんの横顔に思わず見惚れてしまった。

 何十年後もこの笑顔を見たいな。

 そんな思いが頭の中に浮かんだ。


「どうかしましたか?」

「いや、もう半年が終わるんだな、と思ってな」

「ですね。今更ですけど、もっと早く王野君に話しかけるべきでした」

「そっか。氷室さんは俺のことに気づいてたんだよな」

「まぁ、そうですね。でも、話しかけていいのか、忘れられてたらどうしようって、思うと不安だったんですよね」


 実際、忘れてた、わけではないけど、勘違いしてたしな。

 もし、4月に声をかけられても気づかなかったかもな。氷室さんがヒントをくれたから気付いたようなもので・・・・・・。


「でも、もういいんです。今、こうしてまた王野君とお話ができてますから。私はそれだけで幸せです」

「そっか」

「はい。なので、これからもよろしくお願いしますね?」

「あぁ、こちらこそよろしくな」


 その約束がなによりも嬉しかった。

 2人の間に朝の爽やかな風が吹き抜けた。


☆☆☆

次回更新14時or18時!

書けたら、14時に投稿します。

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