6月21日(月) 20:00〜『姫香と真美の秘密の勉強会』
夕飯を食べ終えて、勉強をしていると真美さんからメッセージが届いた。
その内容は、『20時からテレビ電話を繋いで勉強を教えてほしい』というものだった。
特に予定もなかった私は、『いいですよ』と返信した。
そして、20時になり、真美さんからテレビ電話がかかってきた。
『もしもし〜!』
「もしもし」
『ごめんね。いきなり、頼んじゃって』
「いえ、大丈夫ですよ。どうせ、私も勉強をするつもりだったので」
『よかったー。ありがとう!姫香ちゃん!」
「それで、どの教科をしますか?」
『やっぱり、数学かなー。苦手だし・・・・・・この辺とか』
そう言って、真美さんが見せてきたのは、この前、私が王野君に教えてもらった内容のところだった。
「そこ難しいですよね。私もこの前、王野君に教えてもらいました。なので、あまり自信はないですけど、それでもいいですか?」
『うん!大丈夫!』
私は王野君に教えてもらったことをそのまま真美さんに教えていった。
自分で教えると、改めて王野君の説明が分かりやすいのが分かる。
「どうですか?分かりましたか?」
『うん。めっちゃ分かりやすかった!やっぱり、姫香ちゃんも説明上手だね〜』
「そんなこと、ないです。今のは、この前、王野君に教えてもらったことをそのまま言っただけですから」
『そうなんだ!やっぱり、翔は天才だね〜!それをそのまま教えれる姫香ちゃんも凄いと思うけど』
「凄いのは王野君です・・・・・・」
『ところでさ・・・・・・』
真美さんが手を止めて、聞いてきた。
『姫香ちゃんは翔のこと、好きなんだよね?』
「へっ!?」
真美さんのその言葉に私は問題を解いていた、手を止めた。
「ど、どうしてそう思うんですか?」
『いや、見てれば分かるよ〜。姫香ちゃん、分かりやすいし』
「・・・・・・というと?」
『え?気づいてないの?姫香ちゃん、めっちゃ顔に感情が出てるよ。特に翔と話してる時なんて、ずっと頬が緩みっぱなしだし』
「うそっ!?」
『本当。で、好きなんだよね?』
「そう、ですね。ずっと、好きです」
『ずっと?』
「そういえば、真美さんには言ってなかったですね。私と王野君のこと」
私は真美さんに王野君とのことを話した。
昔、私たちは会っていて、よく一緒に遊んでいたこと。そして、その時から私は王野君に片想いを抱いていたことを。
『へぇー。そうだったんだ〜!なんだか、ロマンチックな話だね。高校になって再会って、めっちゃ運命的じゃん!』
「ですね。私も王野君が同じ高校にいた時は驚きました。もしかしたら、いるかも?とは、思っていましたけど、本当にいるとは思ってもいませんでしたから」
『それで、ずっと片想いしてたんだ』
「・・・・・・はい」
なんだか、恥ずかしくなってきた。
こんなこと、誰かに話すのは初めて・・・・・・。
ずっと、王野君のことが好きだった。
もしも、この再会が神様がくれたチャンスなのだとしたら、私は・・・・・・。
『じゃあ、告白するしかないね!』
「えっ!?」
『だって、そうじゃない?好きなら、その気持ちをちゃんと伝えないと』
「そう、ですけど・・・・・・」
それは、ずっと考えていた。
王野君に告白したいという気持ちは強くある。だけど、それと同じくらい、断られたらどうしようっていう気持ちもある。
『大丈夫!私が保証してあげるから!』
「え?」
『自信持って翔に告白してきなさい!もしもし、万が一、翔が姫香ちゃんの告白を断ったりしたら、私が懲らしめるから!』
「懲らしめるって、真美さん」
面白くて笑ってしまった。
そして、笑ったらなんだか、気持ちが少し軽くなった。
なんだか、真美さんに背中を押された感じ。
「ありがとうございます。真美さん」
『ん?どういたしまして?』
「私、告白しますね!」
『うんうん!その意気だよ!頑張れ!応援してるから』
そう言って、真美さんは笑顔で私にピースサインを向けた。
来週、王野君に告白しよう。
そう心に決めて、私は真美さんとの通話を終えた。
☆☆☆
次回予告7/2(金)9時!
残り8日・・・・・・。
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