6月18日(金) 8:00〜
朝食を食べ終え、2人で一緒に家を出た。
これじゃあ、まるで・・・・・・。
2人で並んで歩いて学校に向かう。
「自転車じゃなくていいのですか?」
「氷室さんがいるからな」
「一緒に乗って行きたかったです・・・・・・」
ごめん。
いつもならそうしてたかもだけど、今日は無理・・・・・・。
昨日からいろいろとありすぎて、俺の心臓はパンク寸前です・・・・・・。
こうして、氷室さんの隣を歩いて一緒に学校に行くことも今はちょっとヤバい・・・・・・意識してしまう。
だから、こう言うだけで精一杯だった。
「また、今度な」
「約束ですよ?」
「あぁ」
「じゃあ、今はこの時間を楽しむとしましょうかね。こうやって王野君と一緒に登校するのは初めてですし」
氷室さんは学校に着くまで終始楽しそうだった。
学校に到着して下駄箱で上履きに履き替えた。
「さて、ここからは別々に行くか」
「え、なんでですか?」
「いや、だって・・・・・・」
間違われるよ?
一緒に教室に入ったら疑う生徒がいるだろ?
特にあの2人なんか、絶対にからかってくるはずだ。
「間違われるぞ?」
「何にですか?」
「それは・・・・・・カップルとか・・・・・・」
「別にいいですよ?」
氷室さんはサラッとそんなことを言った。
え?いいの?
「王野君は私が彼女じゃ嫌ですか?」
「そんなの・・・・・・」
嫌なわけないだろ!!
氷室さんがいいのなら、俺も気にしないけど・・・・・・。
「本当にいいのか?」
「もちろんですよ」
氷室さんは、なんの曇りもない笑顔を浮かべた。
その顔が嘘を言っているようには見えなかった。
俺は覚悟を決める。
心臓はうるさいくらい鳴っているが、俺は冷静を装って言う。
「じゃ、じゃあ、一緒に行くか?」
「行きましょう!」
2人で並んで一緒に廊下を歩く。
すれ違う生徒が誰もが俺たちのことを1度は見た。
そりゃあ、見るよな。
こんな時間に氷室さんが登校してるのも珍しいだろうしな。
教室の前に到着して、扉に手をかけた瞬間、
「王野君。私の彼氏になりますか?」
耳元でそんなことを囁かれた。
「はっ!?」
俺は変な声をあげ氷室さんのことを見た。
氷室さんはいたずらな笑みを浮かべていた。
か、からかわれてる、だけだよな・・・・・・?
氷室さんのその顔はどっちなのか分からなかった。
「うふふ、なんですか、その声。ほら、入りますよ?」
「あ、うん」
どうやら、からかわれただけらしい。
安心したような、悲しいような・・・・・・。
俺は顔を真っ赤にした氷室さんの後に続いて教室に入った。
☆☆☆
次回更新18時!
☆が1000いきました😂
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