6月16日(水) 20:00〜
なんだか、この時間に氷室さんから電話がかかってくるのが定番かしているみたいだった。
お風呂から上がって部屋に入るとスマホが振動していた。
「もしもし。どうしたー?」
『もしもし。こんばんは』
「こんばんは。なんか、この時間に電話してくるのが当たり前になってきたな」
『ダメですか?仕事終わりの至福のひとときなのです』
「別にダメじゃないよ」
そんなこと言われて、迷惑なんて言えるわけがない。もちろん、迷惑だなんて、これっぽっちも思ってないがな。むしろ、自分からはかけづらいので、かけてきてくれて嬉しいとすら思っている。
『なら、これからもかけても?』
「まぁ、ちょうどお風呂時だから、出れなくても文句言わないって約束できるなら」
『文句なんて言いませんよ。というか、王野君・・・・・・お風呂上がりなのですか?』
「まぁな。ちょうど今上がってきたところ」
『今、あがってきたところ・・・・・・』
「おい、何か変な想像してないか?」
『し、してないです!!』
その焦りが怪しいんだが?
「ちゃんと、服は着てるからな?」
『服、着る派なんですね・・・・・・』
なんで、少し残念そうなんだ?
「そりゃあ、着るだろ。氷室さんは着ないのか?」
『それ、セクハラになりますよ?』
「あ、ごめん」
『いえ、別に王野君になら何聞かれてもセクハラなんて思いませんから。ただし、私以外に聞くのはやめてくださいね?』
「あ、あぁ・・・・・・」
なんか、凄い大胆なことを言っているような気がするのだが・・・・・・。
「と、ところで、雨には濡れなかったか?」
『はい。唯香さんが校門のところまで来てくれていたので、大丈夫でした』
「それは、よかった」
『王野君は大丈夫でしたか?』
「俺も大丈夫だったよ。帰りはそんなに降ってなかったし」
『バカップル』と最終下校時間まで図書室で勉強をしていたら、帰る頃には雨は弱まっていた。
そうだ、『バカップル』といえば・・・・・・。
「氷室さん。たぶん、そのうち真美のやつから、連絡が行くと思うけど、あいつのテスト勉強手伝ってやってくれないか?」
『真美さんからですか?分かりました』
「ありがと。あいつ、あんまり頭良くないからさ、分かりやすく教えてやってくれると助かるわ」
『はい。あの、王野君の頼みを聞く代わりに、私の頼みも1つ聞いてもらってもいいですか?』
「ん?いいぞ」
『あの、土曜日に勉強会しませんか?私の家で』
「え・・・・・・」
『ダメ、でしょうか?』
「いや、ダメではないんだけど、別に俺が教えなくても氷室さんなら大丈夫だろ?」
『王野君と一緒に勉強がしたいんです!』
「2人っきりで?」
『はい!2人っきりです!』
2人っきり・・・・・・。
なんか、氷室さんが積極的だ・・・・・・。
2人っきりかー・・・・・・。
「わ、分かった」
『本当ですか!?』
「あぁ、ちなみに何時からするんだ?」
『王野君は何時からいけますか?』
「その日は特に予定はないけど・・・・・・」
『じゃあ、10時からでもいいですか?』
「分かった」
『楽しみです!』
電話越しに氷室さんの嬉しそうな声が聞こえてきた。きっと、満面の笑みで笑ってるんだろうな。
ちなみに俺も楽しみだった。緊張はするけどな・・・・・・。
その後は他愛もない話を20分くらいして、電話を終えた。
☆☆☆
次回更新6/25日(金)18時!
残り15日・・・・・・。
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