6月13日(日) 14:30〜 『公園にて昔のこと』

「どうかしましたか?」

「いや、ちょっと懐かしいことを思い出してな」


 俺は氷室さんの隣に座った。

 そして、俺は氷室さんに「ひろくん」のことを話し始めた。


「俺がまだ5歳のころに、仲のよかった友達がいてさ、そいつが氷室さんと同じ髪の色と瞳の色をしてたんだ。それと、なぜだかわかんないんだけど、氷室さんの言葉で、そいつのことを思い出す時があるんだよ。不思議なことに」

「その人、今は?」

「さぁな、俺が小学生になることにはいなくなってたから、分からないんだ」

「その時、悲しかったですか?」

「そりゃあな、あんだけ仲が良かったのに突然いなくなったんだからな。当時は悲しかったし、怒ったよ」

「そう、ですか……」

「でも、今はそんなこと思ってないよ。ひろくんが、当然俺の前からいなくなった理由をその後、お母さんに聞いて、その気持ちはなくなったよ」

「じゃあ、今はどう思ってるんですか?」

「今?今は、そうだな。久しぶりに会いたいな、と思ってるよ。そして、一緒にサッカーボール蹴りたいかな」


 氷室さんが下を向いて何かを呟いた。


「……もう、会ってますし、一緒にサッカーボール蹴りましたよ」

「何か言った?」

「いえ、会えるといいですね!」

「そうだな。でも、なんでだろうな。いつか会える気がしてるよ」


 なんでかは分からないが、俺はそんな気がしていた。


「さて、そろそろ行きましょうか」

「そうだな」


 俺たちは公園内をブラブラと歩いた。

 夏になりかけの自然豊かな公園は歩いていて気持ちがよかった。

 

☆☆☆

今回少し短めです。

そしてこれが50話目です!


いつも応援ありがとうございます😁


次回更新

6/22(火)9時!

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