6月13日(日) 14:00〜
「美味しかったですね~」
俺たちはパスタ屋さんを後にして次の目的地に歩いていた。
あの後、氷室さんから、魚介たっぷりパスタを一口もらったが、そっちも美味しかった。もちろん、俺もカルボナーラを氷室さんに一口あげた。
「大満足です!」
「また行きたい美味しさだったな」
「ですよね!また、一緒に行きませんか?」
「そうだな。また行くか」
「やった!」
美味しいパスタを食べてテンションが高い氷室さんは嬉しそうに笑った。
「それじゃあ、次の場所へレッツゴーです!」
「次はどこに行くんですかね?わがまま姫」
「あ、その設定忘れてました。しまった~。さっき王野さんに、あ~ん、をしてもらえばよかったですね」
残念と露骨に落ち込む氷室さん。
「でも、まだチャンスはあるはずです!」
「で、どこに行くんだよ」
「そうですね~。ちょっと運動がてら、ブラブラと公園でも歩きませんか?」
ということで、俺たちはあの公園に向かうことにした。
俺が氷室さんを助けたて逃げ込んだあの公園に。
「あれから、まだ2週間しか経ってないのですよね」
「そうだな」
「なんだか、もっと昔から王野さんのことを知っているような気がします」
「そうだな。仲良くなりすぎた気がするな」
「嫌ですか?」
「そんなわけ、ないだろ……」
氷室さんと仲良くなって嫌だったことなんて一つもない。
ただ、ほんの少しだけ心に引っ掛かりがあるとするならば、俺なんかが、氷室さんの隣に立ってていいのかってことくらいかな。
きっと、俺なんかより、氷室さんにふさわしい人がいるんじゃないだろうかって思てしまう。
って、何考えてんだろうな……別に氷室さんの彼氏でもないのに……。
「私はまた仲良くなれてよかったですよ。そのきっかけとなったこの場所は私にとって大切な場所になりました」
氷室さんは近くにあったベンチに座った。
「あの時、助けていただき本当にありがとうございました。王野君」
深紅の瞳が俺のことを見上げていた。
てか、今……王野君って言わなかったか?
不意に「ひろくん」のことが頭に浮かんだ。
☆☆☆
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