6月8日(火) 6:00〜『朝帰り』
氷室姫香視点
☆☆☆
翌朝。目を覚ました私はぼんやりとした頭で昨日のことを思い出していた。
「たしか、王野さんが家に来て・・・・・・」
昨日、私がやらかした醜態を思い出し、顔から火が出そうになった。
私はなんて姿を見せたしまったのだろう・・・・・・
王野君にあんなこと要求するなんて・・・・・・。
私はどんな顔して王野君に会えば・・・・・・。
すぅすぅ、という寝息が聞こえてきた。
私は恐る恐る体を起こす。
「んんっ!?」
な、なんで王野さんが・・・・・・!?
王野さんはソファーの肘掛けにもたれかかって寝ていた。
もしかしてずっといてくれたの?
私は立ち上がり、王野さんの前まで行きしゃがんだ。
「本物だ・・・・・・」
いつもはキリッとしたカッコいい顔してるのに寝顔はなんて可愛いんだろう。
思わず見惚れてしまった。
サラサラそうな髪の毛だな〜。
触ったら起きるだろうか。て、何考えてるのよ私!?
危ない。危うく触るところだった。
「でも、ちょっとくらいなら・・・・・・」
そう思って私は手を伸ばす。
王野さんが起きる気配はなかった。
そのまま王野さんの髪の毛に触れた。予想通りサラサラな髪の毛だった。
ずっと触っていたいくらい触り心地がいい。
「どんなシャンプーを使ってるんのだろう」
王野さんの髪の毛から漂ってくる香りはいい匂いだった。
これ以上はダメだ・・・・・・。
私、やめれなくなりそう。
そう思って、王野さんの髪の毛から手を離し立ち上がった。
昨日まであった熱は嘘のようになくなっていて、体は元気になっていた。
頭もちゃんと働いてる。これなら、学校に行っても大丈夫そう。
てか、待って!?
王野さんは学校どうするんだろう・・・・・・。
私は時計を見た。現在時刻は午前6時。学校が始まるのは8時30分だから、残り2時間30分。
起こした方がいいのかな?
でも、寝顔もう少し眺めてたいな。
いやでも、やっぱり起こそう。
私のせい王野さんを遅刻させるわけにはいかない。
「王野さん。起きてください」
王野さんの体をゆする。
その反動で王野さんの顔が私の胸に埋まった。
そして、運の悪いことに王野さんは目を覚ましてしまった。
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