第1話
「キャーアアア、アアア」
俺が入るや否や悲鳴が寮中に鳴り響いた。
女子8人のコーラスのようだ。綺麗な高音で耳に良い。
だが、悲鳴は悲鳴だ。多分、俺を嫌悪している事だろう。
後から聞いた話だが、本当は男性が突然入ってきて驚いているのとイケメン(いや、設定上フツメンなのだが)だから興奮しているのの両方だったらしい。
***
え、
固まった美少女達と俺。美少女達の表情も固まっている。
悲鳴が鳴り止むと一人の声が聞こえた。
だが、今は無視しよう。
立ち尽くす自分に一人の女の子が前に歩み出た。
その子は
天使のようなそのうっとりした顔は癒し効果を与えてもらえる。
で、何か話があるのか?
「若旦那様は何故女子専用ゾーンに入ってくるのですの? わたしたちに何か用でもあるのかな。今日ここに来た理由を教えてくれないとわたしが代表しておしおき、するのですよ」
可愛い顔でそんなこと言われても攻撃になってない……。
「あ、あの唐草女子寮の管理人になったので挨拶と仕事の為に来たのですが」と理由を仕事してる風に述べた。
「それならわかりました。よろしくお願いしますっ!!」
元気よくパワフルなカワボで迎えられた。
「ちょっと、
「えっ、そんなつもりはないよ」
喧嘩するムードになってしまった。
「あたしは
「暗黒破壊神。……我にピッタリな名前、称号!響きいいよな」
なんか周りも野次を飛ばしてくる。
その麻邪実というかヤミ子は黒髪ツインテールをアップにしており、痩せた体に貧乳という乙女らしい姿で今時の女子高生って子だった。
スリムは意外と悪くない。
「あたし、愛が足りないのよ。だから愛情を
愛情を今すぐってそりゃー無理だろ。
無茶ぶりに引いていた。
「もうこの男、誰にも渡さないから。乃愛の天然ラブパワーには負けないから、かかってきなさい」
ん? もう決められた?
運命の相手的な。まだ何も始まってないのに。
「名前は何て言うのかしら?」
「
「たっくんね。了解」
もう名前呼び? しかも愛称で、、
「あたしの一生のお願い聞いてくれる?」
上目遣いで見つめられて数秒が経過した。
いきなり何の用だ、と思ったが上目遣いで麻邪実の可憐な美しさにはドキドキしてしまった。
心臓の鼓動が治まらない。
その数秒後にドキドキは驚きと恐怖に変わるが。
「うん」
取り敢えず、一生のお願いでは無いことは把握した上でそう答えた。
きっと百生くらいはするだろう。百回人生繰り返さない癖に。
「あたしの首、絞めてくれる?」
今の聞き間違えじゃないよな……
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