浮遊感 。 ° ー彼女を知るための5つの話ー
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柚希は今日もぼんやりと外を見ている。
ジト目気味の瞳を、窓の向こうの山の方に向けている。
そんな柚希は、雨が降ると少しだけ元気になる。
トントントン
授業中、ほんとうに微かに鳴るのは、柚希が上履きで床をタップする音だ。
先生にばれないように、いや多分周りの誰にも気づかれないようにというくらい微かに、足で何かの曲のリズムを辿っている。
初めてそれを見た時、私は笑ってしまった。
そのおかげで、普段寝入ってしまいそうな授業も、わずかながら楽しかった。
ちなみに柚希にそれをぶつけてみると、頬を赤くして、「しー……」と口元に人さし指を立てた。
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