第273話 真相を語り始める

ウィンズス国王がショックのあまり黙り込んでしまうのを見るとプアア王妃は頭がおかしいんじゃないか?とでも見るような目で不思議がっており、チーリエ国王は彼が何か確信に至ったのではないかと気が付いてしまう。


「ウィンズス国王、今のでいったい何が分かったというのだ。頼む、何か知っていることがあるのなら教えて欲しい。それがどのような事であっても私は受け入れよう。」


チーリエ国王はウィンズス国王にそう話しているがすべてを理解しているからこそ、彼はその先のことを話してしまってよいものなのかとためらっていた。


そんな彼の葛藤を見ているとこれ以上は自分から話したほうが良いだろうと考えたクレハはウィンズス国王にその旨を伝えるのであった。


「ウィンズス国王様、ここからは私が話しましょう。」


「良いのか、・・・分かりました、あなたに任せましょう。」


クレハがウィンズス国王に話しかけ、彼が了承をすると周囲の目は一斉にクレハへと向かう。もちろん、チーリエ国王ですらもクレハを知らないため、彼女がなぜこの場に出てくるのか理解できないでいた。


「君は、一体誰なんだ?」


「私はコーカリアス王国にて男爵の爵位を頂いているビオミカ男爵というもので生誕祭に出されたハンバーグの開発者でもあります。ここからは私がお話ししましょう。」


「そ、そうか。それならばよろしく頼む。真実がどうであれ、すでに覚悟はできている。どうか君の知っていることを教えてくれ。」


「お前のせいだ!お前さえ、お前さえいなければ!」


クレハが真相を話そうとすると彼女を見つけたプアア王妃がクレハに危害を加えようと掴みかかるがそれに気づいたウィンズス国王がすぐさま彼女を叩きつけて黙らせてしまう。


彼はこれ以上プアア王妃のせいで真相が分かることが遅れることに嫌気がさしていたのだ。


「すまない、話を続けてくれ。」


「分かりました、すべて正直にお伝えさせていただきます。先ほど、ウィンズス国王があのハンバーグに含まれている材料の中には少量で幻覚などを見てしまう材料が使われているとおっしゃられていましたがポポルコ王子が無くなったのは間違いなくそれが原因だと思われます。


そして、プアア王妃が先ほど自分たちで材料を盗んで勝手に作ったとおっしゃっていましたがそれはあまりにも危険な行為だったんです。」


既にハンバーグがポポルコ王子の死因であることは疑いようがなかったため、チーリエ国王はそのことには触れずにプアア王妃たちが自分達でハンバーグを作ったからこそ、危険であるということに関してクレハに尋ねるのであった。

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