第271話 鉄拳制裁
ウィンズス国王は今回の生誕祭には急用があったため参加できず、プアア王妃とポポルコ王子に代わりに参加してくるように頼んでいたのだ。
そして、彼らが帰ってきた際に生誕祭はどうであったかと尋ねたところ何も問題はなかったと聞かされ生誕祭は無事に終了したものだと思っていた。
しかしながら今聞かされた話はあまりにもプアア王妃から聞かされたこととは矛盾しており、周囲の貴族達の反応を見ればウィンズス国王が言うことが真実であることは明白であった。
「なるほど、その反応を見るに本当のことは聞かされていなかったようですね。」
「お、おい、今の話は本当なのか!」
チーリエ国王はプアア王妃に先ほどの話は本当のことなのかと尋ねると彼女は悪びれるそぶりも見せずに開き直ってしまった。
「何よ、そんなのあいつが悪いんじゃない。ハンバーグをよこせって言ってもわたしの言うことを聞かないし、たかがメイド風情が王妃である私の言うことをさっさと聞かないからそうなるのよ。
そうよ、あれもこれも全部あのメイドが悪いんだわ。それに、こっちは息子が殺されているのよ、コーカリアス王国の王妃にどう言おうと関係ないわ、殺すなんて野蛮なことをして恥を知れ!」
プアア王妃は自分が悪いということなど頭の片隅にもなく、全く非の無いメイドに対して非難をはじめ、しまいにはこの場にいるナタリー王妃に対して暴言を吐き始めた。
しかしながらその瞬間、ドカッと鈍い音を響かせながらプアア王妃は顔面から地面に激突し、悲鳴を上げる。
「ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
それはチーリエ国王がプアア王妃に強力な拳骨を叩き付けたためだった。彼はプアア王妃の発言を聞き、何ということをしてくれたと鉄拳制裁を繰り出したのだ。
「お前は何ということをしているのだ、それでも我が国の王妃か!」
「何をするのよ!ひどいじゃない、どれだけ痛いと思っているのよ!」
プアア王妃はいきなり自分を殴りつけたチーリエ国王に抗議するが彼の怒りは収まっていない。
「黙れ、コーカリアス国王の生誕祭に招待していただいたにもかかわらず暴れたうえに王妃様を罵倒しただと!そんな馬鹿なことをするのは世界中を探してもお前くらいだ。そのうえ、この場でもまだ罵倒するのか!恥を知れ、貴様など我が国の王妃でも何でもない。」
「何よ、こいつらに息子を殺されているのよ!こんな蛮族に礼儀なんて必要ないわ、むしろ息子の仇よ、こいつを苦しめて殺してやるまで私は絶対に許さないわ!」
プアア王妃は全く反省しておらず、さらにチーリエ国王が手を出しそうになったため、ウィンズス国王はさらに話を進めるのであった。
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