第3話 ノイマン商会

クレハがノイマンの後ろについて歩いていると目の前に周囲の建物に比べ一段と大きな建物が見えてきた。その建物にはお客さんだろうか様々な人たちで溢れかえっている。おそらく、この街で一番にぎわっているのではないだろうか。するとノイマンはその建物の前で止まって中に入っていく。つまり、ここがノイマンの経営しているノイマン商会ということだろう。クレハはノイマンがここまで大きな商会の人間だとは思ってもみなかった。


「クレハさん、ようこそ、わが商会ノイマン商会へ。歓迎いたします。それではさっそく詳しい話を詰めましょう」


「分かりました。よろしくお願いいたしますわ」


クレハはノイマンに案内され2階に歩いていく。ノイマンについていくと応接室と書かれた扉のある部屋に入っていく。


中に入ると向かい合ったソファーが置かれており、片方に座るように勧められる。クレハは椅子に腰かけると早速ノルマンとリバーシに関して話を進める。


「ノイマンさん、すごい商会ですね。この街で一番大きいんじゃないですか?」


「いえいえ、お客様方のおかげでノイマン商会も大きくなることができましたがまだまだですよ。それでは早速リバーシの条件に関して決めていきましょう。まずは売買の方法としてはリバーシに関しての権利を売るということで大丈夫ですか?権利を売る場合、初めにまとまった金額をお渡しにするだけでどれだけ売り上げが上がってもクレハさんに支払われる金額は変わりません。その代わり、売り上げがあまりなかったとしてもクレハさんには影響はありませんが」


「金額によりますね。権利を売るのであればいくらになりますか」


「そうですね、王金貨10枚でいかがでしょうか?」


「王、王金貨10枚ですか」


予想だにしていなかった金額に、思わず声が出る。

初めに足元を見られるから顔に出さないと決めていたクレハの決意は何だったのだろうか。


ここで金貨の価値を説明しておく。

前世の日本の価格と比較すると大体、王金貨=10,000,000円、白金貨=1,000,000円、大金貨=100,000円、金貨=10,000円、銀貨=1,000円、銅貨=100円となる。


つまり、ノイマンから提示された金額は1億円である。クレハはそこまでの金額になるとは考えてもおらず、とても驚いていた。クレハ自身、これだけもらえるなら十分と考えていた。


クレハが考え事をしているとノイマンは渋っているかのように見えたのか、さらにこんなことを言い出した。


「それなら王金貨15枚でいかかですか、これ以上は流石に限界です」


「いえっ、十分です。15枚でお売りします」


「それでは取引完了ですね。王金貨15枚分になります。王金貨1枚は使いやすいように細かいものに両替させていただいております」


「ありがとうございます」


(まさか、150,000,000円になるなんて驚きですわ。

これならこのお金をもとに自分の商会を立ち上げてもいいかもしれませんわね。)


クレハは前世の知識によって得た利益をさらに発展させるために、考えを巡らせる。

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