ある研究
俺にはずっと後悔していることがある
それは大学受験で本命のA大学に落ち、滑り止めのB大学に進学したことだ。
そこから15年後、高校の同級生でA大学に行った奴がタイムマシンを発明し、
ノーベル賞を取ってしまった。
それが悔しくて悔しくて後悔しているのだ。
もし俺がA大学に進学していればその座は俺のものだったはずなのに!
俺はそのタイムマシンを盗んでくることに成功した。
これで過去に戻り、過去の自分に入試の答えを教えてくるのだ。
俺はタイムマシンを使って過去に戻った。
・・・・・・・・・
俺は過去の俺に会うなりこのままでは大学に落ちてしまうこと
それを回避するために俺は来たということを素早く過去の俺に告げ
その年のA大学の入学試験の解答を手渡した。
これで現在に帰ればさぞ自分の立ち位置は変わっているだろう!
・・・・・・・・・
気づけば俺は昼寝をしていたようだ
高級な革張りの椅子
俺が発明したタイムマシンに関する論文
ノーベル賞授与式の招待状、、
15年前、「あいつ」が来てから俺の人生は右肩上がりだ。
なんでもA大学の入試の答えだ!とか言ってそのまま消えてしまったものだから
当時は面食らったが、素直に言うことを聞いていてよかった。
ところで15年前の「あいつ」はいつの時点の「あいつ」なのだろう?
研究していて分かったことがいくつかあるのだが、まず「あいつ」が生きていた
世界では「あいつ」はA大学に落ちたことになっている。
そのA大学に落ちた「あいつ」は過去の「あいつ」、つまり自分に解答を渡しに来た。
でも、過去の「あいつ」である自分は違う道を進み始めたため「あいつ」ではなくなった。
じゃあ、今の自分はいったい誰なのだろうか?
そんなの決まってる過去の「あいつ」のが今の「あいつ」に解答を渡されて分岐したもう一人の「あいつ」だ。
いや、そうすると「自分」=「あいつ」になるから矛盾が発生する。
いや、自分はあいつなのかもはやあいつは自分に変化してしまってあいつではなくみらいからきたあいつはいまのじぶんとはちがうそんざいであいつはじぶんででもじぶんばあいづでばなぐででぇぇええぇあえぇええぇえぇああぁえぇ
・・・・・・・・・
「やっぱりだめだなぁー、もしタイムマシンなんか作ったらこんな感じで精神が崩壊しちまうのか~」
「だから言ったろ!もうそれ何体目のAIだよ。50だぞ!50!リソース無駄にすんなよ!」
「ちぇっ、夢がねぇなぁー」
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