第3話デジタルマスターの在り処
私たちは三次元でなく二次元の世界に住んでいる。にわかに信じがたい話だ。
だって、現実に私たちは厚みのある物体を見て触って縦横高さの次元を確かめることができる。
網膜に映し出される像やアニメの世界に描かれる世界は疑似三次元であるけれども、私たちはそれを事実上の三次元として認識できている。
しかし、そうは言っても2Dに投影された3Dはやっぱり「2D」である。
屏風絵が飛び出すことはないし、添い寝シーツにダイブして二次嫁と添い遂げることは永遠にかなわない。
満々と水をたたえたダムのポスターを貼るときにうっかり床を濡らす心配もない。
私たちの世界が二次元の投影だと言われて誰が信じようか。
信じようと信じまいとホーキング博士はやってのけた。
三次元空間における諸々の情報は「ぺちゃんこ」な平面に収納できる。
いったい、どういうことだ?
「ベッケンシュタイン限界」とか
「ブラックホール情報パラドックス」とか
「情報熱力学」とか考えるだけで偏頭痛持ちになりそうな用語は置いといて、簡単に言おう。
宇宙ホログラムのデジタルマスターは、宇宙の始まりにあった。
ビッグバンである。
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