第4話

今までの仮説では最初の爆発の際に「ありとあらゆる物質が生まれて、それが拡散している」と考えられてきた。

ところが、その理屈だと大きな矛盾が生じる。


正反対という言葉があるように、物事は何でもペアになっている。

ビッグバンから「物質」が生まれたのなら、同じだけの「アンチ物質」が生まれないと釣り合いが取れない。

そして、物質とアンチ物質は互いに打ち消しあう宿命があるので、出会った瞬間に消滅してしまう。


しかし、実際にはアンチ物質なんか何処にもありゃしない。だって、正規の「物質」が堂々と生き残っているんだもの。

そこで科学者たちは「宇宙の法則が乱れることがあってもいいよね」(CP対称性の破れ)という「相田みつを」みたいなことを言い出した。


まぁ、CP対称性の破れは最近発見されて、「あるよね。微レ存だけど」って決着した。


それでもアンチ物質が勝利しなかった理由までは説明できないし、CP対称性じたいが破れる原理も説明できない。




ビッグバンというのは全宇宙の歴史を記録したフィルムというか「アカシックレコード」みたいな奴で、

それを一挙放送せずにダラダラとホログラム上映していると考えたらどうだろう。


実体が無いんだからCP対称性とかアンチ物質とか考えなくていい。


    

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