#2わたしの幼なじみはかわいいというおはなし。
すぅ、すぅと、自分の脚の上で寝息を立てながら幼なじみが眠っている、寝てる姿を普段は見せようとしないから、すごく新鮮な気持ちだな。
「可愛いな、寝顔。」
幼い頃から普段もずっと学校の教科別の教室に引きこもってるし、大学に入ってからも研究室での寝泊まりしかしてない。睡眠不足そうなのに、そのくせ何故か普段の学年教室じゃ居眠り一つなく過ごしてる。寝顔を見たのは小学生の頃、自分の家に泊まりにきた一回のみだったかな……。修学旅行なんて3度も別の部屋に割り振られちゃって残念だっなぁそんな滅多に見れない寝顔が、見下ろせばすぐそこに。
もう、寝てるよね。
「好き。」
初めて検査で出会ってすぐ、友達のいない私を強引に遊びに誘った時。
親と喧嘩したからと、いきなり家を飛び出して私の家に泊まりにきた時。
あの時みた笑顔が、あの時見せてくれた寝顔が
「ひなちゃんそのものが、生き甲斐なんだから。」
胸の動悸が、体の疼きが、止まらない。
耳かきする手を止めて、深い眠りに落ちた雛子の上半身を起こし抱き寄せる。
「どうせまたこの部屋で、変な装置でも作ったんでしょ、ひなちゃん。」
彼女との密着を解いて、互いの唇を重ねる。そして
「んぅっ……ふぅっ…。」
唇のその先に、舌を侵入させていく。知ってるんだよ、小さい頃から。寝てる間に舌を入れると条件反射で舌を絡めてくるの。寝てるから、そんなこと一切覚えてないだろうけど。向き合った彼女の左手を右の太ももに置き、空いた右手を私の胸に添える。手のひらに何か触れると握り返してくる癖を利用して、自分の胸をわざと揉みしだかせる。うまく握れないのか、あの子の左手は握るのか握らないのかの絶妙な力で太ももの上と下を行ききして私を焦らしてくる。触って欲しいのに、もっと深くまで。ひなちゃんが私のことそう言う目で見てたの、気付いて無いとでも思ったの?息がし辛いなぁ、よだれがどんどん垂れちゃう。頭の中ははっきりしてるのに、身体はどんどん蕩けてくる。お互いの「回路」が、どんどん混ざり合うような錯覚すらしてきた。
【回路を持つ人同士が、親友以上に近しい関係が続いた場合には、特殊な癖となって回路に異常をきたす】なんて話があったけど、貴女の手癖は私のせいかも知れない。そしてじわりと、身体が、心が、大事なところさえ濡れてきているのを。
「…っくぅっ。」
ガチャリと言う音とともに、全身を震えが駆けた。
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