伸び悩んでいた理由は技術革新

伸び悩んでいた理由は技術革新が食糧確保やエネルギー供給などの基本的な生存欲求の充足に向けられていたこと。


換言すれば。人口成長率は幾何級数的であるが食糧生産は算術級数にしか従わない。要するに子供を産む速度は加速度がつくけど食糧がバカスカ取れるわけではない。


これをマルサスの罠というのだけど、ガロアの論文は経済史を三段階に分けて説明している。


先述の産業革命以前が前マルサス期にあたる。そして20世紀、いわゆるマルサス期に入ると急激に人口増加と技術進歩に弾みがつく。

これは近代社会がマルサスの罠から脱出したためで、ようやく人類の生活が安定して知的生産に割ける余裕が生まれたということ。


ガロアによると技術革新のアイデアは人口に比例するという。

それでポストマルサス期はどうなるかというと、技術革新の推進剤として人的資本の需要が高まる。搾取される労働力としての子供より、きちんと高等教育を受けた人材が求められるようになり、自然と出生率が下がる。


これは枢軸特急の中でドイッチェラント率いる枢軸基幹同盟(アクセンメヒテ)と連合国(ステイツ)が軍事技術開発にしのぎを削っている状況に符合する。


室内鳥類学者(ヘンペル・レイヴンズ)がめざす形而上生物学の完成と同じところに帰着する。

    つまり、人口も技術も人類が生存能力を向上させる手段であり、これらを支点に産業に向けて飛躍的に人口を増やすのが社会であり、世界的インフラが成立する。


人口増加は人口が増加するに従って加速度的に進んでいく。つまり生産体制による社会的影響である。


人口増加を人口当たりGDP(中産階級)で割ると、先進国(特に欧米)や新興国(特に日本)には大きな恩恵をもたらす。


そのため、先進国の人口は多くても数%未満のユーロ圏に過ぎない。


そして、これというのも人口減少を加速する要因のひとつが先進国や新興国などで出生率が低下するからだ。


先進国は世界一の人口を誇る新興国と違い、出生率の落ち込みはごく微小な問題である。


人口減少の原因として、出生率が落ちる背景に経済政策が絡んでいることが一番大きい。


人口増加を政策の柱とするヨーロッパでは、貧富政策が緩和されるのは経済政策に影響しており、それでも先進国の人口は増える。


ただ、それでも人口減少に関しては先進国並みの経済成長が可能という訳ではない。


むしろ先進国での人口増が最大の目的であるが、先進国が人口増加の恩恵をほとんど認めないのに対し、人口が増加した先進国の経済成長は大きい。


そのため、人口増加に関する政策も経済成長の政策も決して多くも悪くもない、政策は単なる偶然で決まるわけではないのだ。


しかし、結果として人口増加は加速度的に加速していき、先進国に影響を与える。


先進国が人口拡大の恩恵を最大限享受できたのは、先進国が人口増加に対する支援をしていたから、つまりそのほとんどの政策が先進国との協力関係を保っているからだ。そこに経済成長の恩恵は全く存在せず、また経済成長と同時に経済成長が行われ、その結果として経済成長率が低下する。そこに政策が働かなければ、人口増加も停滞し、人口増加によって経済成長が遅くなり、経済成長は停滞する。その結果として国は人口減少に陥り、人口減少による経済成長の失敗という形で国が疲弊する結果となってしまう。また、社会基盤の発達に伴う過剰な資源開発は環境破壊の原因となり、国が疲弊する原因の一つとなる。


また、今回の調査でも先進国の人口不足に対して政策が行われ続けていることが明らかになっており、それに合った結果となっている可能性は非常に高いようだ。



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