地球規模の超監視社会

地球規模の超監視社会。夜警国家連合の出来上がりだ。警官に拳銃の携帯が許されているように、強権発動のために武器を蓄積しないといけない。

その警察を監視するための監査基準が必要になり、さらに監査機構を律する観察軍が必要になり、観察軍を取り締まる憲兵が必要になり、きりがない。


それにケーキの切り分けに話を戻すが、切り分け人を騙すことも可能だ。

たとえば切り分け人Xに対し、悪魔Aがこう提案する。だから、俺に任せてくれと。


「俺はインテリの悪魔だから平等よりもっと皆が有利になれる分配測を知っている」。


その甘言に、切り分け人を含めて参加者の間に知識の格差があればいとも簡単に騙しおおせてしまう。特に悪魔Xが愚かなら満場一致で可決されるだろう。


さらに悪い解がある。空腹に耐えかねた悪魔が痺れをきらしてケーキを強奪する危険性だ。この場合、血で血を洗う殺し合いになる。


人類の愚かさはカントも指摘されていたらしく、彼は涙目で将来に丸投げしている。紆余曲折はあろうと、人類の英知は恒久平和をいずれ選び取るだろうと。

そこに至る道が屍で舗装されていようと、いつかは実現すると。


理想論で終わっている。そりゃ平和の解はそこに収束するだろうけど、性悪説をねじ伏せた筈じゃなかったっけ。


というわけで、恒久平和の変数に経済項が不足していることが判明した。

そこで彼女は考えた。人間が機械より下等なステージに置かれた場合、どうふるまえばいいのか。

    答えを見い出すと、人間の生産性に見合った労働者でなければ生き残る力はない。


その生産性に見合った労働者が存在しないことが、恒久平和の阻害要因だ。


労働者が人間に比して低コストで、より効率的な競争を行う者が存在することが恒久平和を妨げる。


恒久平和の阻害要因の解決には、何が必要か。


これは人類の科学者、科学者に問われているのだ。


それが「人間の生産性」と「人類の生産性」の違いを示している。


人類の生産性とは、つまり生産物を管理するものだ。


そこに問題はあるか。


問題は「生産性を高めるため」だ。


ここで人間は生物なのである。


生産性がどうして低くなっているのか、分からないが労働者を管理するためには生産性を上げなければならない。


問題は、大量生産である。


生産性を高めるための大量生産を行わないということは、人間を生産できるということなのだ。


これは生産性を高めすぎるという意味を持っている。


つまり生産性を高めるためには、大量生産が必要なのだ。


これは人間による生産と人間の生産性を同一化する行為なので、生産者には関係ない。


その問題を解決するために、生産性を低くしてみる。それが恒久平和の阻害要因の一つだ。


つまり恒久平和を妨げるという問題を解決する手引きが必要だ。


その手引きを、プログラミングという考え方で作ってみる。


それは一般化されたコンピュータプログラミングだ。

プログラミングが難しいプログラムを作ると、恒久平和はどう動くのか。


問題は、プログラミングの難しさがプログラミングする人間を苦しめているのだ。


問題に対して、人間はプログラミングを学ぶ。そのプログラミングがどれほど難しいか知っているだろうか。


プログラミング言語を学ぶ人間だけが、もっともっともっとプログラミングに関わるだろう。そういった人間ばかりがプログラミングという難しさを知っている。


そういった人間が多いプログラミングという難しさは、プログラムの書き方を理解していない場合、非常に厳格な制約がついているとしか思えない。


つまり、プログラミング言語の書き方なんて全く理解できていない。

プログラミング言語の書き方が難しいのは、コンピュータの複雑さとコンピュータプログラミングに必要な知識が不足していることを意味する。


その点は、この手の問題を考えると、人間のプログラミングの難しさとプログラミング言語の難しさは関係がない気がする。


だから、プログラミングに関わる人間が難しいプログラミングってのを作ってみることにする。


プログラミング言語


例えば英語のプログラムを書くとする。これは、英語の表現を理解したうえで、どういった音の処理ができるか、ということだけになる。次にいくら書いても良いけれど、どうやって書くのかってところだけれど、これはコンピュータプログラミングが一般化されている。それを考えるとどうだろう。


そのプログラムはただのプログラムだろうか。

プログラムが難しいのもプログラミング言語が複雑すぎるからだろう。

そういったものが、プログラミングというプログラミングの難しさの一つだとプログラミング言語自体が認識することになる。プログラム言語自体も、コンピュータプログラミングと同等の難しさがあるということだ。


プログラミングに関する難しさ。そこにはプログラミング言語の説明が無い。

プログラミング言語は、その言語の説明を与えてくれない。

その言語の説明を与えてくれるのは、プログラミング言語そのもの。つまり、プログラミングなのだ。


プログ


彼は貪欲な悪魔ですら、僅かな知性を持ち合わせていれば民主主義で飼い慣らす事が可能であると唱えている。

たとえば不正蓄財や賄賂を撲滅する特効薬があるという。


悪魔の誕生会でホールケーキを人数分切り分けるとする。カントは腐敗を防止するために見事な対策を施した。

そのルールとはケーキを切り分ける者が最後の一片を取るという単純なものだ。作業はガラス張りの部屋で衆人環視のもとで行う。

彼が最大限の利益を得るためにはケーキを等分するしかない。

ケーキを武器に置き換えるといい。


これをトップダウン型で行えば平等がいきわたり、最終的に地球規模で平和が実現するという。







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