一時間の新計測法


 モルフェウスに捧げます。


 21/07/01


 長さ2キュビット、あるいは3キュビットの金属性の棒を見る。先端は鉤状に120°の等間隔で三つに分かれたフックのような形を成していて(つまりは、忍者が屋根に引っ掛けるように投げたロープの先に付いているフックと同じ形状をしている)、鉤状部分と棒部分の比は1:6、あるいは、1:6:3の色をしている(これは、正確にアイボリー、ビリジアン、エメラルドを表す)。

 鉤状部分には1のコストを支払う事で(どのように?)、球状の物体を所属させる事が出来る。

 あなたが見た時、それはたくさんの球状物体を連なってぶら下げて、スズランのように見える。

 しかしわたしが鉤に球状物体——実際には、殆どたまごボーロである事を確信している——をくっ付けようとすると、鉤が嫌がる事がある。このような場合には、120°離れた隣の鉤に掛けるか、あるいは、一周して戻ってくるまで保留する事が出来る(そう、わたし、あなたは鉤にたまごボーロをくっ付ける作業を続けなければならない。何故なら、そうしなければ一時間が測れないからだ)。この、鉤との駆け引きこそが、新たな計測方法の妙である。鉤が素直にたまごボーロを付けたのでは、一時間が経つ前にたまごボーロのストックが無くなってしまう。しかし、鉤が“駄々をこねる”事で、ちょうど一時間で作業を完遂する事が可能になる。

 そうして、完全な一時間を知る事が出来る。

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