街のBLこぼれ話（エッセイ）

大みそかは君と

今日は大晦日。

寒空の下、お台場を訪れた。

なぜかというと、お台場にあるトヨタのショールーム（テーマパーク？）「メガウェブ」が22年の歴史に幕を閉じるということで、自動車ライターの私が駆け付けたわけだ。

（別に、取材して記事にするとかではなく、せっかくだからというだけ）←タダだし

親子連れの姿も多く、モデル名をスラスラ言って指差して走り回る小さな男の子もいる。

散々いろんな記事に書いてきた私でも、未だに車の尻（リア）のモデル名を読まないとシルエットだけでは分からないのに…。

だだっ広いフロアにポンポンとたくさん車が置いてあって、誰でも乗り込んでみることができる。

係員がいるわけでもないので、ディーラーのように遠慮する必要もなく好きなだけ乗れる。エンジンはもちろんかけられないが、それで十分。ペーパードライバーの私、もう何のボタンがどこにあるんだか分からないし、NとかDとかPとか何だっけ？というレベル。

私としてはルーミーに乗りたかったんだけど、親子連れが途切れないのでランドクルーザープラドに乗車。むむむ～～でかいのに意外と圧迫感！

…。

…と、いやいや、車の話はおいといて！

ここから本題！

その後、ヴィーナスフォートのレストランで軽く昼食。

途中から隣にやってきた若い男の子二人組。

んまあ、カップルや親子連れだらけのなかで、メガウェブに車を見に来たのかどうか…は分からないけど。

俄然、聞き耳を立てる私。

あまりお出かけをしてなかったので、久しぶりのBLウォッチング開始！！

注文時、聞こえてきたのは「あの、ホットティーはないですか？」。

ん、お食事じゃなくて単にお茶なのね？

そして、コーヒーじゃなく紅茶派なのね？

しばらくして、紅茶とオレンジジュースが届く。

紅茶を頼んだのをA君、そしてオレンジジュースをB君とする。

ああ、会話は聞こえないけど、かわいい注文！

そしてA君がマスクを外した。角度的に私からはA君の顔しか見えなかったんだけど、高橋〇生似のちょっとシュッとして色気のある感じ！（心の声：素晴らしい！）

二人はニコニコしながら、和やかに話している（心の声：かわいい！）。

私、もう自分の食事どころじゃなくなってくるが、しかし店は満員で、何を話してるのかは全然聞こえない。

車の話ではなさそうな感じだけど、だとしたら、クルマ好きがメガウェブ最後の日に駆け付けたのではなく、純粋に（？）大晦日に二人でお台場のヴィーナスフォートにいるのね！？（心の声：ブラボーー！）

…そして。

ちょっとお茶をしに入ったのかと思いきや、二人のテーブルにまた皿が届いた。

！

…ケーキ！！

し、しかも、モンブランとかチョコケーキとかではなく、この店の目玉の超カラフルな虹色ケーキ、×２！（心の声：レインボォーーー！！）

あー、そうなんだ。

大晦日には君とお台場でインスタ映えするケーキを頼んで、紅茶とオレンジジュースで仲良く食べる…。

うんうん、二人ともお互い、そういう日なんだね。

突然だったのか、数日、数週間前から約束してたのか分からないけど、今日は二人で過ごす日なんだね…！

私などはもうクリスマスも大晦日も「あ、今日だったのね」くらいになってしまったけれど、さすがに若い頃はどれも一年に一度、しみじみするような、見逃したくないような一日だった。

きっと彼らにとっても今日はそんな特別な一日のはず。

食事を終え、後ろ髪を引かれつつも店を後にする。

うん、彼らの今日のこの後の予定は…ハイ、想像に任されますね。うふふ…

ああ、今年の最後にいいものを見た…。

これは来年に向けて幸先がいい気がする。

＊＊＊

というわけで、2022年も見かけ次第リポートしてまいります！

皆さま良いお年を！！

2021年12月31日　あとみく