つかんでたい

渋谷・原宿・表参道。

私には縁のない「オシャレ」な人たちがいっぱい。

女の子はもちろんのこと、男の子たちだって服にすごく気を遣ってる感じ。

…うん、女の子たちは、女子大生とか、社会人で、お友達同士でショッピング、などなど、それとなく、その人の生活が見える感じがする。

それにまあ、服装も何となく、流行ってる服なのか、通勤の服なのか、ここ一番の一張羅なのかとか…ハイブランドを見に来たのか、プチプラでカワイイものも欲しいのか、どのくらいの価格帯のランチやディナーを食べる感じなのか…まあ、本当になんとなーーく、分かる気がする。


でも、男の子たちは、正直言ってさっぱり分からない。


全員、とりあえず大学生か、その辺のアパレル店員とかで、オシャレな服やバッグとかシルバーアクセとか??を買いに来てる…??


まあ、働き方もどんどん変わって、「正社員」「自営業」「フリーター」「学生」というような区別ももうあまりない気がする。だから男性社会人=ほとんどがスーツ姿、っていう常識ももうなくて…でも、スーツでもなく、「ごく普通のシャツとズボン」でもないオシャレな男性が、いったいどういう生活をしてるどんな人なのか、そしてどんな「友達」(仕事仲間?)とこうしてわざわざ集っているのか、私にはさっぱり想像がつかない。


…と前置きが長くなってしまった!


本題に入ると、とにかく、いつものようにカフェで仕事をしていると、目の前を通り過ぎる二人の男性…というか男の子?


大きな紙袋を肩から提げている。たぶん、「ザ・ハイブランド」というのじゃないけど、何かオシャレな服屋とかの、しっかりした袋。

紙袋の上から、雨よけの透明ビニールがかぶせられている。

私にはよく分からないヒラヒラと重ね着をした格好。黒っぽい、「モード系」とでもいうやつなのか?髪も不思議な色で、ちょっと中性的で、まあ私では「美容師かアパレル店員」としか表せないイメージ。


とにかく、そのAくん(仮)が歩いていて、そのちょっと後からほぼ似たような雰囲気のBくん(仮)がちょこちょこっと寄ってきて、Aくんの後ろから、その右の肩から提げた紙袋の、布の持ち手(紐)のところを、左手で、きゅっとつかんだ。


いや、ただ荷物の紐をつかんだということじゃなくて。

その、つかむ前。


Bくんの手は、Aくんの背中の手前で1秒逡巡してさまよって、「うわあどうしよ、ええい、ここだっ!」って感じで、ぴとっと、そこにくっついていった。

大きな紙袋といっても横に長い長方形ではなくて、だから、その肩にかけた紐はまっすぐ下に垂れていて、つまりそれをつかむということは、Aくんの背中の肩甲骨と脇の下の間あたりにぴったり手が触れるということになる。


そしてBくんは、まるで何かにつかまっていないと歩けない!とでもいうような感じでAくんにくっついて、店を出ていった。何かのアトラクションで、VRでホラーゲームでもやってるかのように…まあ古典的に言えばお化け屋敷で「こ、怖くないって…あっやっぱ無理っ!」と泣き笑いで、でも手を繋ぐわけにもいかないから肩や腕にくっついてくる友達みたいに。



…ど、どうしてそんなにつかんでたいの?


うん、私は、その理由はなんだって構わない。

いいのよ、いくらでもつかみたいだけつかんでいれば。

だって、見てるだけで、癒されるんだから。

(ポエム風なまとめ)



余談。

お化け屋敷でふいに思い出した。

昔、お化け屋敷で、自分たちの前に歩いてた女の子二人組が、ギャルっぽい子だったんだけど、もう本当にビビっちゃって、後ろから来た私に「お願い、て、手つないでもらっていいですかっ!?」って、二人が、手を繋いだのがどんどん腕ごとしがみついてきて、ギャーギャー言いながら、何か大型犬の散歩みたいになったことがある…(笑)おかげでこっちはまっったく怖くなかった(笑)

あー、これ、男だったらBLで活かせそう!ヤンキーぽいやつが「こえええ無理ぃぃ!て、手つかまして!!!」ってなったらいいな!あー妄想が広がるなあ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る