(※未完結の段階で書いたレビューのため、現在の内容とそぐわない部分があります)
人が生きたまま球体関節人形に変えられる、という奇怪な事件に挑む、自称魔術師と売れない作家のコンビのお話。
明治か大正を思わせるレトロな世界に、夢と現の混じり合う感覚が鮮烈なファンタジー作品(むしろ怪談かも?)です。
が、少なくともこのレビューを書いている段階では、明確に未完の作品です。参加する自主企画の締め切りに間に合わせるため、一旦脈絡のないゴリラを登場させることにより強制的にエンドマークを打っており、逆にそのぶち壊し感がある意味面白いといえば面白いのですけれど、でもあまりにももったいない作品。
斑目さんがとても魅力的。性別すら判然としないながらも、しかし見目麗しく何よりとても頼りになる、この主人公感についつい惹きつけられてしまう。
古風な文体の生む独特のリズムも含めて、雰囲気がたまらない作品でした。ほんといい雰囲気だったのにー!