『命日』【紫桃のホラー小説SS】


『なにげない一言』

   作:紫桃




 幼かったころの出来事だけど鮮明に残っている記憶がある。


「じいちゃんって〇〇月〇〇日に死ぬの?」


 長期入院している祖父を見舞い、車へ戻る途中でふと思い浮かんだことを母に言った。


 すると母はそんなことを言うものじゃないと血相を変えて叱った。


 幼いながら言ってはいけないことだったんだと気づいた。



 数か月経って―― 自分が言ったとおりの日に祖父は亡くなった。


 以降は、ふと浮かぶコトバがあっても、できるだけ口にしないようにした。






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 紫桃が執筆している SS ショートストーリー

 『予知はハズレのほうがいい』より


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