第6話 神様と契約しました。

昼飯を食べ終わって、テーブルに座り俺の右手のステータスを眺めている。

よく観察してみる「能力値」が5項目 学力 運動 恋愛 コミュニケーション

運 その下に「スキル」が記載されている。その横には能力の段階表記がされている。表記の仕方がうざいが

(伊)「へー「ゲーム能力」とかはスキルか、マジでゲームみたいじゃん。

経験値の欄もしっかりあるし」

さっきはいきなり出てきて驚いたが、こうしてみるといいじゃん!

マジで転スラとかSAOみたいでテンション上がるわ

(伊)「なーこの能力値ってどうやって上げるの?神様」

(神)「はい。まず学力ですが勉強してください!」

(伊)「うん?じゃあ運動は?」

(神)「はい!運動部に所属しましょう!」

(伊)「恋愛は?」

(神)「恋をしましょう。素敵な彼女さんを作りましょう」

(伊)「普通の生活じゃねーか!待て待て!えっなにこれじゃ見れるだけ?意味ないじゃん」

(神)「意味なくないですよ!なんてこと言うんですか!」

(伊)「特殊能力は!異世界転生は!ハーレムは!」

(神)「何ですかそれ!ないですよ!努力してください!」

(伊)「ふざんけな!さっきまで「あなたを幸せにします」とか息巻いていたのに

これ何!ゴミじゃん!」

(神)「ゴミじゃないです!そんなこと言わないでくださいよ!わーん!」

泣いたよ。ダッサ。情けない神様を見ながら俺は食器を片付けるため、立ち上がった。

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俺は皿を洗い、リビングを見ると泣き止んで体育座りをしている。なんかパンツ見えないよなー不思議

(伊)「ほらいつまで泣いてるんだよ。」

(神)「私いらない子?スキル使えない?」

(伊)「いらない子かどうかは分からないがまぁ普通に使えない。おいバカ殴るな!!」

(神) 「そこは嘘でも励ますところでしょ!

この童貞レベル!ブサイク!インキャ!」

(伊) 「言いやがったな!しかもスキル画面よりも酷いこと言いやがった!流石にこいつですらブサイクは言わなかったぞ!」

(神) 「もう知りません!本当にバカーー!」

そう言い残すと神様は走って家を出て行った。

(伊)「アイツマジでガキじゃん。」

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「クソ!あの神様のせいで掃除しても、ゲームしてもレベルアップうるせえ!なにこれマジでミュートとかないの!」

ピコーン ツッコミ力UP! お笑い芸人被れにレベルUP!

「やかましいわ!変なもん押し付けやがってクソ!」

イラつきながらもこのスキルのことを考えた。

神様が消えてから色んなことしていたらレベルが上がったらスキル画面が表示される。

これはこれでうざいが何よりもレベル名称が気に入らない全部悪口だ。

あの神様の性格が悪いのかこのスキル自体の設定が悪いのか分からないがイラつく。

「ハアー洗濯しないと、あー雨降ってる!最悪!てかあいつ傘持ってたか?」

持ってない。記憶にある。あいつは服以外なにも持ってない。

あいつ本当に神ならマジで行くところなんてない。あいつも1人だ。

「マジで神様なんて信じてる。自分は馬鹿だな。」

そうつぶやいて俺は傘を2本持って家を出た。




時刻は16:30俺は神様のところに向かっていた。

今小雨だが雨が降っている。雨宿りできて神様がいそうな場所なんて一つしかない。

(伊)「頼むからいろよ。バカ女神」

俺は神様と初めて話した公園に向かっていた。

公園の近くに来た。 

(神)「離してください!気持ち悪いです!」

大きな声がした。神様だ。でも様子がおかしい俺入り口の茂みから覗き込んだ。

(G)「いいーじゃん。こんな所で1人暇でしょ。

朝の喧嘩の続きしようよ。カフェでさ」

(B) 「ギャハハ!それもうナンパじゃん!」

(C) 「でも可愛いよなこの子。マジでなんであんなキモい奴と一緒にいたのか不思議。」

あいつらはモブG.B.C クソ!まとめるとかっこいいじゃんか。

(G) 「ホントそれ!マジであいつキモいよな。

マジでインキャだしな。あんな下ネタくらいで

マジギレするなよ笑笑」

(B) 「マジでインキャが学校来んなよ。

クラスでハブられてるのになんで来るのかな?」

マジでコイツらくだらないな。いや俺は知ってる。世の中の奴らなんて大体そうだ。自分のことばっかし考えて生きてる。道を通る時に看板があればどけるし、本を取る時上に物が載っていたらどける。当たり前なことだ。俺でもそうする。だからこいつらも俺がクラスで邪魔だから消したい。それだけだ。

(C) 「あいつマジで今度は来れないように「黙りなさい。」あ?」

(神) 「黙りなさいと言ってるのです。あなた達みたいに女の子を囲んで人を貶める人たちとは違います!彼は優しい人です!」

(G) 「はーただのインキャだろ。」

(神) 「彼のことは今日朝からしか知りません。

でも彼はすごい人です。彼は人を助けるのを当たり前と思って行うんです!」

その言葉に衝撃を受けた。俺が彼女に抱いた感想と同じだった。俺は違う俺は自分が気に入らないから行動しただけだ。そのクズ達と同じなんだ。


(神) 「彼はそれを自分のためにしてると思って、人を助けているんです。」

違う俺はクズだ自分のことだけを考えてる。


(神) 「彼は朝私にパンを買って食べさしてくれました!見捨ててもいいのに見捨てなく食べ切るまでそばにいて話を聞いてくれました!」


違う。お前を自転車で轢いたからだ。

警察とかと話したくないからだ。


(神) 「警察を連れ行った際は騒ぎが大きくならないよう起点を聞かして私を助けてくれました!」


違う。ああした方が早く解放されると思ったからだ。


(神) 「私が家がないのをわかった時、優しくご飯と寝床を提供してくれました!多分今飛び出してきたのを追いかけて来てくれます!」


違う。ただめんどくさかっただけだ。そうだ俺は自分のために行動しただけだ!だから泣くな俺!俺は泣きそうになっていた。誰かに気づいて欲しかった。誰かに褒められたかった。

だけど、誰かのために行動しても見返りを求めることが嫌になっていつからか自分のためにと割り切って行動していた。それを見透かされていたのだ。


(神) 「彼がなんで学校に行ってるか。聞いてはいませんが推測はつきます。彼が行かないと多分あなた達のいじめは初めにいじめられていた女の子に向きます。それを食い止めるために彼は1人で戦っているのです!あなたが彼を馬鹿にする筋合いなんてありません!このくずめ!」


いつの間にか涙が溢れていた。止まらなかった。俺は多分ずっと誰かに認めて貰いたくて、

誰かに助けられたかった。


(G) 「何だよこいつ頭沸いてるじゃねーか?

うぜーな!コラ!」


マズイこのままじゃ神様がクソ!なんとかしろよ伊藤一磨男だろ!


スキル発動 ちっぽけな勇気

スキル発動 小賢しい悪知恵


スキルが発動した。その瞬間頭に一つの行動が浮かんだ。

(伊) 「警察の人こっちです!こっちです!

この公園で女の子が襲われています!」

(B) 「警察!やば!おい行くぞ!」

そういうと、3人のモブは走って消えた。

神様はその場でこちらを見ていた。

(神)「ほらやっぱり来てました。」

(伊) 「馬鹿じゃねーの?あんなこと言って怒るのわかってるだろ?何してんだよ。神様だろ。

もっと賢く生きろよ。」

(神) 「あそこで私は自分を曲げたら神を目指す理由に背きます。私の目指す世界は人が正当に評価される世の中です。あなたのような人を2度と出さないように。」

その顔は綺麗だった。澄んだ目がこちらを覗く。自分の正義を貫く人本当にいるんだな。

俺はコイツの目指すものを見たい。そう思ってしまった。

レベルUP スキルちっぽけな勇気から揺るがない勇気へ

レベルUP スキル小賢しい悪知恵から人を守る知恵へ

俺は右手を出した。この言葉だけは伝えなければいけない。

(伊) 「なー神様俺幸せになるよ。そして、見ててくれよ。空の上から俺が幸せに笑って過ごす姿を!」

(神) 「はい!絶対幸せにします。そして、私も多くの人を救います。」

俺の右手を左手が強く握られた。

俺らの関係性をなんというか分からない。

だけど俺は神様を信じたいと思ってしまった。



「あのーすいません。警察なんですけど…」


(伊,神)「えっ?」

(警察) 「いや近所からクレームが入りまして、署まで御同行をお願い致します。」

マジで来るのかよ?勘弁してくれよ。

てか警察に1日2回も絡まれるのかよ。

ビュー 

えっ

(伊)「おい!なに逃げてるんだよ!ふざけんな!」

(神)「私警察はもう嫌です!!!!」

そう言い残すと神様は小さくなった。

(警察)「じゃあ、君だけ来て」

(伊)「あのクソ女神がーーー!帰ったら覚えとけよーー!」


俺は晴れきった大空に大声で叫んだ。

これが俺と神様との出会い。

そして、ここから俺の人生が大きく変わっていく。

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