第4話 神様家に来ました。

「はぁ~・・」

俺は大きなため息がこぼれた。普通なら学校が二限で終わり帰れるという状況は大変魅力的である。た・い・へ・ん!魅力的であるが!

「すいません。本当にすいません・・」

こいつがいるからなーまじでないわー

「もういいよ。てかちょっと待って教室に荷物取りに行くわ。」

「あっはい」

俺は急ぎ足で教室に向かう。てかこいつら休み時間いつも騒ぎすぎだろ。

授業中に質問とかしないくせにその気力を授業にぶつけて妨害とかしてくれ。頼む。

なんでだろヤンキーが授業妨害するときはテンションが上がるよな。

ガラっ

シーン

さっさと荷物とるか。俺はまっすぐ自分の席に向かい、教科書をバックに詰め教室を出る。

「おら行くぞ」

「えっあっはい!」

神様は少し驚いた顔をし、教室と俺を交互に見る。

こいつ馬鹿かと思ったがよく周りを見ているこのおかしな空気を理解している。

「もう来なくていいぞー」

教室のモブA(あほ)がなんか叫んだ。なんでチャラいやつって叫ぶの?かっこいいと思ってるの?カエルなの?

俺に求愛行動とかゲイだな。モブG(ゲイ)に改名しとくかー

まあこれくらいのこと俺は気にし「誰ですか!今叫んだのは!」

そうだ。こいつがいた。正真正銘の馬鹿が!

「教室の中から出てきなさい!面と向かって言いなさい」

えー面と向かってはいいのー駄目だよー俺泣いちゃう・・・

てかそんなこと考えてる場合じゃない!

「バカ来い!行くぞ」

「待ってください!まだまだ言い足りません。かかってこいです。」

「お前は戦闘狂か!サイヤ人か!」

俺は強引に手を引っ張り、校舎を後にした。




帰り道二人とも喋らない。無言で歩く、お互いが会ったばっかしだ。

無理もない。すると女神がゆっくり口を開いた。

「あの先ほどは差し出がましいことをしてすいません。」

「あーいいよ。気にしてない。」

「そうですか。私昔からよくこういいのに首を突っ込んで怒られて」

もうこいつ神とか忘れてね?俺もかわいそうと思うから言わないけど

「もう帰れるか?家まで送るぞ」

「家なんてありません。神ですから。」

「神社に送ればいいんだな。わかった。」

「すいません。でも本当に家はないんです。」

その顔つきや瞳からは嘘は感じられない。マジでなんだよこいつは

「ハアー分かったよ。お茶くらい出してやる。」

「すいません。でもいいんですか。」

「いいよ。誰もいないし」

そんなことを話していると家に着き、自転車を止めた。

「おら、入れよ」

「お邪魔します・・・・って大きい家ですね」

「あっ普通の一軒家だろ」

「いや、一軒家なんてなかなか住めないですよ。あのほかのご家族は?」

「父親は海外赴任でほぼ帰らない。だから誰もいない。」

「お母様は?」

「お茶でいいか?コーヒーもあるが」

「あっなんでもいいです。」

「わかった。席に座って待ってくれ。」

俺は話を遮り、台所に向かった。

誰にだって聞かれたくないことや言いたくないことがある。

完璧すぎる返しだなー

「はい。お茶」

「でお母様は?」

「ブッ!ゲホゲホ」

「だっ大丈夫ですか?」

「お前馬鹿なの?今、確実に聞いて欲しくない感出してたじゃん。」

「えっそうなんですか!すいません」

悪気はなさそうだ。馬鹿だなーこいつ

「まあいいよ。昔に蒸発したんだとあんまり言いたくないんだよ。気まずくなるから」

「そうだったんですね。すいません失礼ついでにもう一つ聞いていいですか?」

「あーやめろ。聞くな」

「あの扱いは何ですか?学校側は何してるんですか?」

「言いやがった・・・」

こいつ本当に空気読めねーな。そりゃ神様友達いないわ。

「教えてください。お願いします。」

真剣な眼差し緊張した声音だけど強い主張が俺に届く。

真剣にこっちを心配している。

「なんでお前が気にする。関係ないだろ」

「気にします!目の前であんなことがあって見過ごせますか!私は神様ですよ!」

そう堂々と宣言した。人を助けるのが当たり前みたいに言う。

「あははあはははああははは」

「なんで笑うんですか」

「いやすまん。そうだなすまん」

容姿は俺より大人っぽいのにガキみたいなことを言ってきやがる。

でも久しぶりに心から笑った。

「話すぞ長くなるぞ」

「聞きます。」

そこから俺はポツポツと話した。

四月にクラスでのRINEのグループができた。

そのグループで男子のあほな奴らがエロい画像を送り、そこに陽気な女子が

「サイテー笑笑」「やめてよーww」など冗談として受け止められる子もいた。


だがある一人の女子生徒が「そういうのやめてください不快です。」と発言してからクラスの雰囲気が一変した。


その子をみんなで「ノリが悪い」、「冗談が通じない」などと罵り始めた。


気持ちが悪かった。発言した奴らも気持ち悪い、関係ないやつらも同調してハブるのも気持ち悪い。知らんぷりしてる奴らも気持ち悪い。そう思ったら声が出てた。


「お前ら高校生だろ。人によって価値観が違うとかわからないの?

てか普通にエロい画像とか送るとか犯罪だから、お前のほうが犯罪者だな」




「それから、ああなったってうわ!泣いてるの?こわッ!」

「泣きますよ。なんでその子を助けたのに」

大粒の涙を流しながら、そういった。

いいやつなんだなと思った。馬鹿だけど

「助けたわけじゃない。俺が気に入らないから言った。それだけだよ」

「それでも!今の状況は!」

「ありがとな。」

「えっ」

「いいよそれだけわかったら間違ってないんだろ?行く当てないなら、

リビングでなら寝ていいぞ。どうせ親いないし」

「私決めました。」

「何居候を?」

「違います!あなたを幸せにします!」

「やっぱり出ていけ。ダメ女神」

ちょっと感動したのにやっぱり頭イかれてるなこのアマ















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る