第2話 神様拾いました。

ピピピピピピ・・・・・・・

閑散とした部屋にスマホの目覚ましが鳴った。

時刻は朝の8:10だ。五月とは思えないほど太陽が降り注いでいる。

「学校行きたくないなー・・・」

俺の名前は伊藤一磨(いとう かずま)15歳で現在高校生だ。

起きる時間は朝のホームルームが8:50に始まるのでぎりぎりまで睡眠をとっている。今から十五分で支度を行い、学校に向かう。

なぜぎりぎりまで家にいる?学校ではもう嫌われていてできるだけ人にかかわりたくないから俺は極力家にいて学校もチャイムが鳴り次第すぐ帰宅する。

これが働き方改革の恩恵だね!とくだらないことを考えていると準備が終わったので家を出る。

「行ってきます・・」

誰もいない家にそう言い、玄関をくぐった。

いつもどおり、家の前に止めている自転車を取りに向かった。

何も変わり映えのしない毎日。何も変わらない15年間の景色。

変えようとしても変わらない現実。どれも嫌気がさしてきた。

自転車のカギを外し、いつものように通学路で自転車を走らせる。

「こんなにつまらないなら犯罪とかしたほうがまだマシかな」

ふと中二病みたいなセリフが浮かんだ。まあまだ若いし全然あるよね!

っと考えた瞬間、体が宙を舞い、たたきつけられるような衝撃が走った。

地面に寝転がる自分何が起こったかわからない。でも確かなのは何かを引いたという事実だ。痛みをこらえながら、自転車のほうを見るとそこには女子が倒れていた。

「マジで!やばいマジヤバイ!これって警察それとも119てか俺犯罪者じゃん!

いやそれよりもこの子が「ぐーーーーー!」え?」

ものすごく大きいはらの音が聞こえた。

「おなかすきました....」



時刻は9:00完全な遅刻だ。完全に遅刻したその理由は横でコンビニで買ったパンをバクバク食べてるこの女のせいだ。

「おいしいです。何個でも行けます!!!!!」

めっちゃ食うじゃん。パンは全部で9個買った。買って二分と立たないうちに半分以下になった。アッ待ってそれ俺の昼食用のパン!!

「おいしかったです!!最高でした。」

「いや、めっちゃ食うじゃん。ふつうそんなに食う。」

「何言ってるんですか。人を轢いといてパンで済んでるんですから感謝してほしいです。

「日本ではそういうのを当たり屋っていうんだぞ。」

「違いますよ!!倒れていただけです!」

「道の真ん中に寝ているなんて当たり屋だろ!放っていこうとしたら大声で叫びやがって!

「だって逃げようとするから・・・」

「てかなんであんたあんな所で寝ていたんだよ」

「最近地上にきて、慣れてなくて」

「ごめん。病院いこう」

どうやら、俺が轢いたことにより頭がおかしくなったようだ。

「頭イかれてないです!正常ですから。」

俺がかわいそうな目で見いていると手をぶんぶん降り回し否定してくる。

「かわいそうに...ごめんな」

「憐れまないでください!!本当に神です!正確に言うと神見習いです。」

「神見習い?」

そう俺がいぶかしそうに聞くと

「はい!」

と笑顔で返事をした。

どうする。頭がおかしい少女と出会ってしまった。これは100%と宗教の勧誘か

美人局の類かと怪しんでいると

「今、怪しんでいますよね・・・」

「ソンナコトナイヨ。ボクシンジテル。アーメン」

「キリストじゃないです!日本の神です!ヘブライ語で喋らないでください!」

アーメンってヘブライ語なんだ。知らなかった。

「てか、そもそもそんな話だれが信じるんだよ。証拠見せろよ。」

「証拠は見せれるにはあるんですが、使いたくありません。」

「ハアー誰がそんなで信じるんだよ。頭沸いてんな。」

「さっきから失礼ですよ!これでも神です!」

「神見習いだろうが!てか見習いってなんだよ!」

「神になるためには試験があるんですよ」

「試験?・・・なんだよそれ。」

「まず、書類選考とSPIがあります。」

「就活じゃん。」

「その後、一次試験のグループディスカッションと面接があります。」

「就活じゃん!」

「その後二次試験の神様面接があり」

「お前ふざけてんな!ぶっ殺して天界送りにしてやる!」

「やめてください!髪つかまないで!アッこの髪は私の髪の毛という意味で」

「うるせよ!誰がそんな寒いおやじギャグ聞くかよ!あー聞いて損した。」

「ちょっどこ行くんですか」

「学校」

「えっまってくだ・・」

言葉を聞く前に自転車にまたがり逃げた。付き合ってられるか。

くそ・・昼飯が

俺は時間を無駄にし飯もないまま学校へ急いだ。





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