第6話『神出鬼没の辻占い師』

 GM:冒険者たちは迷い猫の情報を集めるために下町を訪れました



 ピノ:前衛のシンの装備がちょっと情けないっしょー?


 シン:んな変か? ショートソード、バックラー、レザーメイル。駆け出しの冒険者としては一般的な装備だと思うぜ?


 ピノ:うーん。それはそうかもしれないけど、いまのパーティーだと前衛をシン1人に任せることになるよね? だと、ちょっと危ないかなぁと思うっしょー?


 シン:たしかに。……まあ、そりゃ……そうだわな。一理あるわ


 ピノ:吟遊詩人のピノも、ヒーラーのハルも戦闘面で活躍するのは厳しいからね


 シン:ピノの言ってる事は正しい。……でもなぁ……ガメルがねぇんだよ。家財道具一式売り払って1200ガメル確保したんだけどよ、武器防具、冒険者セット、馬車代ですっからかんだぜ?



 GM:では、シンがピノからお金をうまく借りることができるか、サイコロの出目で決めましょう。サイコロを2つ投げて、6以上なら借りられるということで



 シン:おっ、そりゃ助かるな。(~ころころ)。やったぜ10。つまりはガメルゲットだぜ!


 GM:あくまでも借りなので返済を忘れないようにして下さいね。借金の件はパソコンのメモ帳に書いておきましたので


 シン:あったぼーよ。出世払いで全額首揃えて返してやらぁ


 GM:そんなこんなのやり取りのあとに3人は下町の道具屋を訪れます




  ◇  ◇  ◇




 GM(道具屋):「へいらっしゃい! 朝一番で収穫したばかりのピチピチ新鮮な武器と防具が揃っているよ~。買ってきな!」


 シン:……八百屋かよ


 ハル:いえ、魚屋ですわ


 ピノ:というか、盗品蔵っしょー?


 GM(道具屋):「八百屋でも魚屋でもないし。それにお嬢ちゃん……人聞きの悪いことを。さーて、どれも中央の店のより安いよー。買ってきなー」


 ハル:ピノさん見てください。この腕輪……とっても綺麗ですよ。紫色の宝石がとっても神秘的ですわあ


 ピノ:それは〈疾風の腕輪〉だね。敏捷度を+2増加させることができるから、軽戦士のシンにはぴったりっしょー


 シン:へぇすげぇ装飾品だな。……って高ぇ! 腕輪1つで1000ガメルってマジかよ! ショートソード12本買えるぜ?


 GM(道具屋):「いまなら特別にヒーリングポーションもおまけでお付けしますよ。さぁ、どうされますか?」


 シン:しゃーねー買った!




  ◇  ◇  ◇




 シン:ひゅー。〈疾風の腕輪〉かっけーな。なんだかからだが軽くなった気がするぜ! 敏捷度+2は伊達じゃないぜ!


 GM:新しい買い物でテンション爆あがりのシンは、気がついたら下町のメインストリートからはずれた裏路地にやってきていた



 シン:おおっと。……裏路地



 GM:シンが疾風の腕輪から目を離し、ふと視線を上げると目の前にひび割れた水晶玉を持った高齢のタビット(*ウサギとよく似た二足歩行の人族)がゴザを敷いて座っていた。怪しげな衣装を身にまとっているが、どれもそれなりの値打ち物のようだ。どうやら、辻占い師のしごとは順調なようである



 シン:まさか、……あなたが、辻占い師?


 GM(辻占い師):ひっひっひ。おまえたちは新米冒険者だねぇ……。あたしの名前はオルカ・キーブさ。ちょいとばかりの金銭を対価に、占いをしてあげようじゃないか。そうさね、……特別に1500ガメルで占ってあげるよぉ。安いだろぉ?



 シン:1500ガメル……あいにく。こっちはすっからかんだぜ。全員のガメルかき集めても払えそうにねぇわ



 GM(辻占い師):うーん。困ったねぇ……さすがに……タダでとなると、商売上がったりさね。わざわざあたいに会うために、大金を抱えて訪れる冒険者もいるから、タダってわけにはさすがにねぇ……?



 ピノ:うーん。そうそう、そういえばグランレイダーズのギルマスが〈新しい水晶玉を用意している〉。そうってたっしょー?


 ハル:辻占い師さんにとっても、これは有益な情報ではないでしょうか?



 GM(辻占い師):「おお! あたいが探していた水晶玉がついに見つかったのかい。うん。……今日は気分がいい。情報提供料の対価として何かを占ってあげよう、……どうだい、なにか占ってほしいものはあるかい?」



 ハル:下町で見失った黒猫の居場所を探して欲しいのですわ



 GM(辻占い師):「むむむ……。ウルタールという名前の黒い猫。……水晶玉を見るかぎり、真っ暗で何も見えないねぇ……。かすかに老夫婦の声が聞こえるから、恐らくは屋内だとは思うのだけど、……それ以外はすまないけど、分からないねぇ」



 ハル:ありがとうございます。暗い場所に閉じ込められている可能性が高そうですね。だいたいでかまいませんので、どのあたりにいるか教えてほしいのですわ?



 GM(辻占い師):「そうさね。……貧民街区のオーガストリートの3番街さね。……詳しい場所は、近隣の住民に聞いておくれ」




 GM:グランゼールの貧民街区のなかでも最も危険な地区がオーガストリートです。オーガストリートでは……強盗殺人、放火、通り魔、蛮族の急襲。そういった危険が日常茶飯事です




 GM(辻占い師):「……駆け出しの冒険者にとっては、ちょっと危険な場所だけど、それでも行くのかい?」


 一同:はーい


 GM(辻占い師):「そうか。人生は長いようで短い。あたしは、あんたらがうまくやることを祈っているよ」



 ここらでいったん休憩をはさもうか。まだ夜の10時。オンラインセッションに参加してくれているみんなが協力してくれているおかげで順調に進んでいる。



 このペースならば日をまたぐ……。夜の12時を超えることはなさそうだ。休憩時間は10分程度で十分だろう。



 GM:次のシーンはオーガストリートからはじまります。それでは10分間休憩に入ります。それでは1シーンに宜しくお願いしまーす



 これからは戦闘シーンも加わるとなると、キャラクターシートを真剣ににらめっこしなければならないしな。かっから、こっから!(腕をぐるぐる回して気合をいれる)



 おっと!……ヤフーメール1件。さては内定か?……カップヌードルPRO(12個セット)明日届くみたいだ。


 カップラーメン1食分だけで高タンパクとたくさんの食物繊維が取れるらしい。さらに糖質半分なんだから凄いよなあ。楽しみだなあ……。



 そんなことを考えながらキャラクターシートを眺めるのであった。

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