第5話『ギルマスはロリドワーフ』

 ピノ:うーん。言うほど簡単じゃないかも? ねこちゃんたくさんいるからねー


 シン:そういやぁ、そうだな。おい、何か手がかりはねぇか?



 GM(ロリドワーフ):「んじゃ。依頼主から聞いていた情報を伝えるぜ。捕まえて欲しいのは短毛種の黒猫だ。首輪には〈ウルタール〉っていう飼い猫の名前が刻まれているぜっ。家族同然に育てていたそうだから、貧民街にいるガリガリの野生の猫と見間違うことはないはずだぜっ」


 シン:んで、いつまでがデッドラインだ?



 GM(ロリドワーフ):「3日後だ。行商キャラバンがこの街を去る日だからなー。報酬金はガキンチョから預かった300ガメルと、あたいからの700ガメルを足して、なんと1000ガメルだっ! こんなお得な話はねぇぜ?!」


 ピノ:ちょっと話がうますぎる気がするねぇ。なにか隠してないかい?




 GM:ではロリドワーフがきちんと答えるか、それとも、ごまかすかの判定をサイコロで決めます。サイコロを投げてください。バード(吟遊詩人)の聞き込み判定ですね。6面のサイコロ2つの合計値が5以上の場合は答えます。よろしくおねがいしまーす


 ピノ:ほいなっ。(~ころころ)7だね。5より大きいから勝ちだね




 GM(ロリドワーフ):「へっ、やるなあんた。なかなか交渉上手じゃないかい。そうなんだ。迷い猫が逃げた先がすこし厄介でね、貧民街なんだよ……」


 ピノ:あそこはガラの悪い人族や、場合によっては蛮族に出くわすってきくからねー。気を引きしめないといけないっしょーっ


 GM(ロリドワーフ):「それと、これはあたいの勘なんだけどさっ。最近、あの辺りで猫の失踪事件が続いているんだよ。人がおっ死んじまったとかなら分かりやすいんだけどなんだか、気味がわるくてねぇ。今回の依頼と何か関係してんじゃないかなって、あたいは考えてんだっ」



 シン:ってことは、依頼の黒猫もその事件に巻き込まれている可能性があるっつーわけか。チッ


 ハル:クエストのデッドラインは3日後だそうですが、私達は猫ちゃんのために急いだ方がよいかもしれませんね


 ピノ:ねこちゃんかわいそう。たすけるしかないっしょー!



 GM(ロリドワーフ→下町ギルマス):「んじゃ、たのんだぜー。ところで自己紹介を忘れていたな。あたいの名前は、ドーラ・カールスマイヤー。〈笑う鉄塊〉の方が通りがいいかなっ。あたいは下町ギルド、グランレイダーズのギルマスだっ」



 シン:聞いたことがあるぜ……。どんな壁でもハンマーで粉砕する怪力無双だって。あのドーラか。やべぇ。生きる伝説だぜ?!


 ハル:下町のギルマスがこんなかわいい子だったなんて驚きですわぁ


 ピノ:だねー。世界はひろいっしょー



 GM(下町ギルマス):「へへっ。話がはやくて助かるぜ。迷宮王の小僧……。いや、おっさんも若い頃に最初にこなしたクエストは猫探しだったって聞くぜっ? まっ、これは酒場の与太話だけどな。んじゃきばっていけよーっ」



 一同:おー!!



 GM(下町ギルマス):「へへ。んじゃ期待しているぜ。ヒヨッコ冒険者。……そうそう。運よく下町でタビットの辻占い師に出会ったら〈ドーラが新しい水晶を仕入れた〉って伝えな。そうすればなんか手がかりくれるかもな。がんばれよー新人」



 一同:はーい



 そんなこんなで2回目の休憩に入るのであった。

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