第3話『さあ冒険のはじまりだ』

 せっかくの休憩時間だ。情報を整理しよう。人間の軽戦士がシン、グラスランナーの吟遊詩人がピノ、メリアの神官がハル。……よーし、覚えたぞっ。


 まあ、設定がわからなくなったらZOONで共有してもらったキャラクターシートをチラ見すれば良いか。キャラクターシートを暗記するのは不可能だもんね。


 んじゃ、定刻になったのでミュートを解除して、……っと。



 GM:〈挑戦者の旅立ち亭〉で意気投合した3人はお互いのたどってきた人生を話しあった。話に夢中になりすぎて酔いつぶれてしまったようです。


 幸運なことに酔いつぶれたのがギルドの酒場だったので、物をとられたりすることはありませんでした。3人はギルド2階の宿泊施設で目を覚まします。



 シン:うげぇ。あたまがいてぇ。ちぃっとばかし飲み過ぎちまったぜ


 ハル:なんだかお父様と船に乗っていた時を思い出しましますわ


 ピノ:ヘベレケになるなんて。シンもハルもだらしないっしょー。2人をこの部屋までかついでくるのは大変だったっしょー



 シン:それにしてもピノ。おめぇ、そんなちっこいのに意外と力持ちなんだな?


 ハル:私もピノさんが2階まで担ぎ上げたときいて少々驚きました


 ピノ:えっへん。ピノは狩りとか得意っしょー。力もそこそこあるっしょー



 ふーむ。(手元のピノのキャラクターシートを見つつ)。ピノさんのキャラクターシート上の筋力は〈6〉か。2人をかついで2階をあがるのは難しそうだけど。


 まあ、実際には受付嬢さんとかに手伝ってもらったみたいな流れだろう。軽口のたぐいとして軽く流そう。雑談は掘り下げるとそれだけで20分コースだ。



 ここはさらっとナレーション風に流して話を先に進めようか。水曜日は週のまん中の日だから、ここで寝不足とか体調不良になると本当……後がしんどいもんね。



 GM:初めての迷宮王国グランゼールでテンションが上がってしまっていたようです。無理もありません。


 この世界の若者にとって冒険者は憧れの存在であり、グランゼールはその夢を叶えるための最高の舞台なのですから。


 まだまだ冒険者の実際の社会的な地位は決して高くはありません。ですがそれでも誰しも一度は「冒険者になりたい」そう思うものなのです。




 シン:おー。なかなかに雰囲気のあるナレーションじゃねぇか


 ハル:粋な演出ですわね。GMさんのお気遣いに感謝ですわ


 GM:いえいえ。ありがとうございます。準備してよかったですw




 まぁ、ソード・ワールド2.5サプリメントの〈エピックトレジャリー〉に書いていたことを要約しただけなんだけどね!


 エピックトレジャリーはいい。何というかもはや〈異界の歩き方〉みたいな感じだ。読んでいるだけでたのしい。


 残高が減る一方の預金通帳に胃を痛めながらも4000円を払ったかいはあったというものだ。まあ、クレカだからその真の恐怖が訪れるのは2ヶ月後なのだが笑。



 そんなこんなで3人の冒険者は最初のクエストを受注するために、下町ギルドへと向うのであった。

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