過去に戻れるタイムマシン

俺は過去に戻れるタイムマシンを開発した。

まだ成功したとは言いきれないが、理論上では過去に戻れる。


もし本当に過去に戻れるとすると、それはもう世紀の大発明だろう。


もし量産できるのならば、きっと高値がつくに違いない。そして俺は大金持ちになるんだ!!


そんなやましい考えが浮かんだ俺は、後先考えずに早速開発したタイムマシンに乗り、スタートボタンを押した。


その瞬間、俺とは眩しい光に包まれた。

そして、俺が目を開いた時にはプログラムが完了していた。


辺りを見渡すと、家などの建物はなく、辺りには生い茂る木々。小鳥がさえずる鳴き声。


それは、明らかに現代の風景では無かった。


その事に驚き、スリップする年数の設定を見ると、『2000』と表示されていた。


「2000年前ってこんな感じだったんだな…」


2000年前に戻れた。タイムマシンが正常に作動した。という事は同時に俺の人生が成功した事と同じ意味を表す。


つまり、俺はこれから大金持ちになり、大きな家を買い幸せになるんだ!!



一刻も早くこの成功を報告しようと思い、タイムマシンに乗った。


だが、その時に俺は重要なことに気が付いた。


「未来に戻るボタンが、無い?……」


無い。現代に戻るスイッチが無い……

嗚呼。そうだった。俺は過去に戻ることばかり考えていたから現代に戻るスイッチやプログラムをしていなかった。


なんで気が付かなかったのだろう……

こんな単純な落とし穴に。


どうする?自給自足をするにもこんな時代、2000年前で生き延びることなんて無理に等しいだろう…?




ああ。俺は、本当の意味でタイムマシンを開発してしまったんだな……

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