第22話 盗賊家業の成果
あれから毎日といっていいほど、盗賊家業を続けている。
やはり、外だとDPとLPの回収率が悪いようだ。
護衛依頼を受けていた冒険者達の情報を、スキル《変身》で、掘り起こした結果、レベルが10以下が多い。
回収できるDPとLPは400~500になっている。
前回騎士がダンジョンに攻めてきた時の彼等のレベルは、世界から干渉されているため、レベル5以下だったと思う。
その時も、回収出来たDPとLPは400~500だったと思う。
変換率がレベル依存で変わるのだとしたら、両者の回収率が同じぐらいになるのは、おかしいと思う。
もしくは、人類の階級で変わるものなのかもしれないとかか?
そこまで来ると、どいつがどれぐらいの回収率なのか調べるのが大変だ。
まーいいだろう。
強いやつを倒した分の回収は出来ている。
悪くはないはずだ。
それと、今回の目玉は、戦利品だ。
モンスターの進化用アイテムや市場に流す武器や防具だ。
そう思って襲ってみたわけだが、意外にそれらは、そう多くはなかった。
商いの種類は多岐に渡る。
食料品から始まり、家財道具、工業用品、木材等があった。
その他にも、酒や煙草、奴隷なんかもいた。
本当に色々だ。
はっきり言って襲い損だと、思う物も多い。
用途がわからないし、どこに流していいのかもわからない。
価値がわからない物を、商いするとそこから足がつくかもしれない。
流す時こそ慎重に、やっていったほうがいいだろう。
それで目当ての武器、防具、アイテムだが、それなりに、仕入れる事は出来たように思う。
武器、防具は、中級冒険者~上級冒険者が扱う装備が多い。
数もそれなりにあると思う。
武器商人は激熱だ。
それで、多くの武器と防具は、精巧に仕立ててあり、金になりそうだ。
ちゃんと武器屋のおっちゃんになって現物を、見ているので間違いない。
それと、特殊な武器を3個ほど仕入れる事が出来た。
おっちゃん曰く、風神の扇、雷の槍、毒のナイフ(呪)になるようだ。
扇には凄い風の力が宿っていて、お目にかかる事も少ない品になる。
雷の槍は、そこまで希少価値が高いわけではないが、十分、魔槍に入るみたい。
毒のナイフ(呪)は、禍々しい気配を感じる様で、呪われた品だ。
アイテムの方も上々な成果を挙げている。
アイテムというのは、こちらの世界では、モンスターが稀に落とす物をさすようだ。
スキルカード、モンスターの魂、木の実等になる。
他にも、ポーションやMPポーションなんかもあるが、消耗品枠になるだろう。
落とすというが、倒すが正しい。
本当に極少数しか落とす事がないので、高値で取り引きされる。
スキルカードやモンスターの魂も、木の実と同じように1度しか効果はない。
スキルカードは、封印されているスキルを取得できるようになり、モンスターの魂は、耐性強化に繋がるようだ。
商人から奪った物は以下の通りになる。
暗目のカード
気配感知のカード
吸収のカード
スライムの魂×2
セカンドスライムの魂
ゴブリンの魂
商人を襲撃した数は30を越えている。
意外にアイテム関係は少ないようだ。
それと思うに、吸収のカード、スライムとセカンドスライムの魂は、家ウチのダンジョン産ではないだろうか。
結構、大盤振る舞いでスライムとセカンドスライムを召喚し続けている。
そのため、外に持ち出すほどの消費量になったとかか?
どれぐらいの確率で落とすかわからないが、100体で数個落とするなら、それぐらいは倒されたと思う。
イリナとミサカが、管理しているので、よくわからないが。
それと、どうもカードの方が重宝される傾向が高いようだ。
モンスターがアイテムを落とす確率が、スキルカードのほうが、格段に下がるらしく、商人の中では最後の切り札のような物になるらしい。
スキルカードやモンスターの魂は重複をさせて使い続ける事により、効果が増大する仕様らしい。
1回目の使用が一番効果があり、だいたいの人は1度しか使わない事が多い。
錬金釜で使用したく集めてみたが、集めてみる事にしたが、これは自分でも使いたい物だ。
戦略目的を変えないためにも、モンスターの進化がもっとも優先したほうがいい。
自身の強化はどちらかといえば、ついでの要素が強い。
戦術目的のために、戦略目的に支障が来ては本末転倒だ。
今回は先送りになるが仕方ないだろう。
それと、ここ最近、金稼ぎに集中していたわけだが、この盗賊家業もいい感じの収益を上げている。
さすがは商人というわけか、なかなかの懐事情だ。
多い人で金貨500枚、少ない人で金貨10枚になる。
開きがあるが、それは仕方ないだろう。
例え異世界だろうと格差が出るものだと思う。
人類の生活圏がまだまだ発展していないのも大きい。
商人ギルドで銀行のような物を始めよう物なら、それに伴う出費があるだろうし、現実的ではないのだろう。
行った先で、お金を下ろせたら一番いいだろうが、経済バランスもあるだろう。
モンスターが徘徊する外の世界をどうにかしなければ、難しいだろう。
それで、現在の金貨は、7000枚を越えている。
金持ち街道まっしぐらではあるが、この手法もあと少しで、頓挫する事が目に見えている。
明らかに、都市へ来る商人が減っているのだ。
いやでも気付くだろうし、街道も擬装したとはいえ、そこであった事を思えば、敏感な人なら何かが、おかしい気付くだろう。
人間はそこまで馬鹿ではない。
すぐ対策をとられるだろう。
現在では、DPとLPの収入源は、ダンジョン内部、街中、街道での冒険者一行と多くの取得先がある。
大方ランクCのモンスターは出揃ったと思う。
次のステップへいく、次期だろう。
それと、金貨をDPに変換すると×1000になる。
7000×1000で、七百万もDPに得ることが、出来る。
途方もない資金だが、計画にはまだ少し足りない。
あと少し、あと少しだけ稼ぎたく思う。
DP、LP、金貨が、この調子で貯まっていけば、五階層目中には、準備が整うだろう。
都市の攻略もあと少しだ。
__________
ここ最近、ダンジョンはいいようにやられている。
冒険者達にダンジョンの内部構造や出現モンスターが把握、適応されたのが、大きいように感じる。
対策が必要だ。
イリナとミサカも頑張ってはいるが、ダンジョン内にモンスター使いがいると、初心者冒険者の中では、有名な話になってきているらしい。
人形ヒトガタの魔物に出会ったら逃げるってのがギルド側の見解だ。
そのため取り逃がす事が、多くなってきている。
この辺りが、てこ入れのしどきだと思う。
イリナとミサカも落ち込んでいる様子をよく見かけるようになってきた。
なんとかしてあげたく思う。
今では外で稼げるようになってきている。
はっきり言ってそこまで気にしてなかったりするが、一応本職?でもある。
まー、なんとかしよう。
いい加減、冒険者が邪魔だ。
人の家にきて、荒らすだけ荒らして帰っていく。
それが、例えこちらからのボーナスだったとしても気分は良くない。
初心者冒険者には躾が必要だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます