第53話助っ人

俺は家に帰った後にちーちゃんのことを聞こうと神奈の部屋の前まできていた。


「神奈ちょっといいか?」


部屋の中でバタバタと音がした。いきなりだったからびっくりさせてしまったかな。


「なに?最近年下の女の子にデレデレのおにぃ。」


となんだか機嫌が悪そうな感じだった。ていうかデレデレはしてないとおもうけどな。ただ一緒に弁当食べたりしてるだけだけどな。


「そんなことないだろ。」


「あるよ。昼休みとか鼻の下伸びまくってるし。」


そんな…ことはないはず。


「そう思うんだったらお前も来て一緒に食べたらいいじゃん。そうしたらおれが鼻の下が伸びてないってことがわかるぞ。」


「はぁー!いかないしきもい。ていうかなんなの?」


ほんとに我が妹ながら口が悪いな。俺は慣れているけど他の人だったらないちゃうぞ。


「ああそうだ。ちーちゃんについて聞きたくて。」


「ちーちゃん!?」


となんだか俺のちーちゃん呼びが気に入らないような感じだった。


「千鶴さん。」


「そう。で何がききたいの?」


「いやなんだか最近よく千鶴さんと会ったりご飯食べたりしてるんだけどもしかしたらクラスに馴染めてないんじゃないかとおもって。もしかしたら同じ学年だしなにかしってるかなって。」


「ああそういうこと。あの子は多分人見知りなんだとおもうよ。」


「え?でもすごくフレンドリーな感じだけど。」


「それはおにぃといる時だけみたい。普段はそんなにキャピキャピしてるキャラじゃないしぐいぐいくるタイプでもないよ。」


「そうだったのか。神奈は千鶴さんと話さないのか?」



「喋らないし。てか私あのこ苦手。」


珍しいことを神奈はいった。なんやかんや神奈は社交性の塊みたいな感じだ。誰とでも基本仲良くなれる感じなんだかどやはり苦手とかあるんだな。


「そうなのか?でも昔のはよく一緒に遊んでたじゃないか。」


「どうでもいいでしょそんなこと。」


「まあそうだな。でも神奈とかが千鶴さんと楽しく喋っていったら友達が増えるんじゃないかと思って。」


「なに私を使おうっていうかんじ?」


「そんなつもりは…」


「でもそれはおにぃが友達がいたらいいと思ってるけどあの子自体はそれを望んでないかもしれないよ。」


確かに神奈の言うことはもっともだ。ただの俺のおせっかいで言っている。ほんとはちーちゃんも学校では静かに過ごしたい派の人かもしれない。でも


「でもな。友人っていうのは将来いてよかったとおもってもいらなかったなと思うことって少ないとおもうんだ。まあ友人を作るかどうかは千鶴さん自身が決めることだけどきっかけをつくるくらいだったらいいんじゃないか?」


「なにくさいこといってんのほんとにきもい。でも私にそんなに協力して欲しいの?」


「ああ協力してほしい。」


「じゃあ協力する代わりに私の言うことを一つ聞いてほしいな。」


なんだか聞いたことがあるながれだな。


「ああそれくらいだったら全然いい。」


「じゃあ協力してあげる。もう遅いから寝るね。」


「ああお休み。」




なんとか神奈の協力を得たけどこの行為が凶と出るとはおもってもなかったんだよな。

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