第37話 真実とこれから

あの時の知ったことは私にとって大きな出来事だった。あのことがあったからこそ今回の計画もかんがえた。


そうあの一年前のある日。おにぃが高校に入学して少したった時のことだったと思う。前までのおにぃだったら学校からほとんどすぐに帰ってきてたけど最近はよく寄り道して帰ってくる時が多かった。まあ私もあの時はまだ高校生になったらこんな感じなのかな程度にしか思ってもなかったとき。


私とお母さんでおにぃの部屋の掃除をしてる時だった。もう高校生になったんだから中学のものをお母さんが片付けてようとしていた時に私も手伝うといい手伝っていた。


「神奈ベットの下とかはみたらダメよ。何か出てきたら困るでしょ。」とお母さんはこんな性格なのでなんのこと言っているか流石にわかった。


「おにぃがそういうの持ってたら捨てなきゃだね。」と私は本気でいった。おにぃにはそういうのは必要ないんだからという気持ちだった。


そんな時にクローゼットの奥の方に段ボールがあってこれはなんだか怪しそうだったので引っ張り出した。お母さんはゴミ袋を取りに行っていていなかったので今のうちに確認しておこうとおもった。まさかおにぃがそんないかがわしいものを持っているとはおもってないけどおにぃも男の子だから可能性はゼロじゃないしな。


中を開けるとアルバムのようなかなり古そうなやつがでてきた。なんだアルバムかと思いながらせっかくだから見てみようと思っても開いてみた。そこに挟んでいた写真に写っていたものはおにぃがほんとに小さい頃の写真だった。でもその隣に写ってるひとはなんだかあまりみたことのない若い女の人だった。そのアルバムにはその女の人とおにぃが写ってる写真ばかりだった。この人誰なんだろうとおもった。みたこともない人だった。


その時にお母さんが戻ってきてすごく驚かれた。なんだか見られたくない写真だったみたいだ。でも私はこの人のことが知りたかったからお母さんにきいた。


「このおにぃの隣の女の人はだれ?」


「うーん。」とお母さんは答えにつまっていた。でもゆっくりと喋ってくれた。


「神奈ももう来年高校生だからその時なのかもしれないわね。」


「この女の人は私の高校生の頃から友達のちひろっていう人よ。」お母さんの友人がなんでこんなアルバムをつくっているんだ?


「単刀直入にいうとね。この人は和樹のお母さんなの。」という。なんだか聞き間違いでもしたのかあまり意味がわからなかった。この人がおにぃのお母さんってどういうことだ?


「ちひろは和樹の母なの。でもまだ和樹が小さかった頃に私に和樹を託して失踪してしまったの。」


「え?じゃあおにぃを捨てて失踪したの?」と私は直球できいた。


「そうだけどちがうのよ。あの日ちひろは確かに私に託してこの家をでた。でもねこの時にちひろはいったのよ。ちゃんと時が来たら帰ってくる。その時までおねがいと。ちひろの旦那さん、和樹のお父さんは和樹がまだちひろのお腹の中にいた頃に事故で亡くなってしまったの。ちひろは正直弱い子だったの。旦那さんがなくなってすごく落ち込んでいたけど和樹がいたから少しの間はがんばっていた。けどそれはあの子にしたら限界だったのかもしれない。その時に私に相談しに来たの。確かにそういうのはよくはないけどちひろの精神状態ももう限界ってことがわかってしまった私は和樹を一旦預かる了承をしたの。それでもいずれはちゃんと帰ってくるってことを条件にね。」


もう正直頭がパンク寸前だった。情報量が多すぎてなにがなんだかわからなかったけど大事なことをきかないと。


「私はお母さんの子?」


「そうよ。神奈は私たちお母さんとお父さんの子よ。でも和樹も私たちの子よ。そこに差はないわ。」とちゃんと真剣に教えてくれた。


「お母さん。ちょっと一人で考えたいことがあるからちょっと休んでくるね。」


「ええ。いきなりのことでびっくりさせちゃってごめんなさい。聞きたいことがあったらなんでも聞いてちょうだい。」


といって私は部屋をあとにした。


私はベットであることを考えた。

おにぃはお母さんの友達の子供。

ということは私とおにぃは血がつながってない。

ということは私とおにぃは他人である。

ということは私とおにぃは結婚できる!

すごいことだった。もう頭に稲妻が落ちたような感じだった。もう私は我慢しなくてもいいということらしい。


私はおにぃが本当に異性としてずっと好きだった。でも兄妹だからということでそれは成し遂げられないとおもっていた。だからその心にずっと蓋をしていた。でもそれはもういらないらしい。


お母さんはショックを受けたと思ったみたいだったけどその逆だった。嬉しかった。確かにびっくりはしたけどそのびっくりよりも嬉しさの方が上回った。


私はこの日から人生が変わったみたいな感じだった。これからは我慢はいらないんだと本気になっていいんだと。


でもこの一年はなかなかうまくいかなかったけど同じ高校に入学したんだ。しかもおにぃと一緒に勉強できる時もこれからは増える。今回の計画で積極的に進展はなかったけどこれからもっと頑張ろうとおもった。



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まだまだ不慣れな連載ですが指摘などもあったらコメントしてくださいね。

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