第29話那月のおもい
なんであんなに和樹が怒っていたのかわたしにはわからなかった。確かにわたしはテストの順位は1番だ。でもそうなっていたのはただ勉強が好きっていうだけであってそれがそこにつながっていただけのことだった。
確かに和樹と一緒に勉強をして競い合っていたというそういう気持ちになっていた時も確かにあった。でもそれは和樹と競い合っていただけであって別に順位は頭になかった。
だから和樹がわたしにも一位を目ざいて欲しいと言った言葉はわたしにはなんでと言ったかんじだった。いまでも和樹と一緒に過ごせて勉強もできているので十分なのになんだかなる気ににはあまりなれなかった。
でも策士?のわたしはいいことを思いついた。和樹は自分勝手なことを言ってわたしに言ってくるんだから私も条件を出させてもらおうとおもった。
「和樹。別に勝負してもいい。でも勝った時の報酬がほしい。」と私は言った
「俺にできることならなんでもいいぞ。」と私が乗り気になったことでそこに何にも思ってないみたいだった。まあこれは好都合であったが。
「じゃあ勝ったもののいうことを一日なんでも聞く。これが私がその勝負にのる条件。これがのめなかったらこの話はなかったことにする。」
「それくらいならぜんぜんいいぞ。じゃあそれまでお互いがんばろう。」
「ええ。」という私は思わず笑みをこぼしてしまった。何という棚からぼたもちもいいところだ。まだきまったことではないが高確率で一日和樹をいうことを聞かされる。今でも十分だとおもったがよくがでてしまった。
この勝負にわたしは久しぶりに勉強の熱が上がる那月だった。
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