第277話 悪いな、すでに嫁ならいるんだ
「それで、カズマは儀式の終了を受け入れるの?」
エミリアが、そう訊ねてくる。
「エミリア的にはどうしたい?」
「たぶん、大丈夫だと思うわ」
「それなら終了ってことで」
「わかったわ。お母様に伝えてくるわね」
エミリアは、俺が作った装備を着ていたから、殆どノーダメージだった。
だからこそ、声が届く範囲まで近づけたのだろう。
俺は、エミリアが観客席に戻っていく間に、エリアヒールで兵士や騎士達の傷を塞ぐと共に、ステータスを確認する。
●田中一馬(たなかかずま) 18歳 精神年齢41歳
ステータス
▲【レベル】400
【物理攻撃力】1200
【物理防御力】1200
【移動回避力】1200
【魔法攻撃力】1200+999
【魔法防御力】1200+9999
【残りポイント】4149
魔法
魔法欄一覧
『回復魔法LV10』
『氷魔法LV10』
『雷魔法LV10』
『水魔法LV10』
『風魔法LV10』
『土魔法LV10』
『火魔法LV10』
『精霊魔法【火】LV10』
『精霊魔法【水】LV10』
『精霊魔法【土】LV10』
『精霊魔法【風】LV10』
『融合魔法LV10』
スキル
『片手剣LV10』
『徒手空拳LV10』
『弓スキルLV10』
『投擲LV10』
『イーグルアイLV10』
『状態異常無効化LV10』
『マルチロックLV10』
『自動追尾LV10』
『肉体防御LV10』
『騎乗LV10』
『クリエイターLV10』
『錬金術師LV10』
『付与術師LV10』
『連続魔法LV10』
『合成魔法LV10』
『話術LV10』
『疾風迅雷LV10』
『砂上踏破LV10』
『空間把握LV10』
『金剛LV10』
『衝撃耐性LV10』
『殺意感知LV10』
『罠感知LV10』
『魔法防御耐性LV10』
『物理防御耐性LV10』
称号
【称号】
▲アイスマン
▲裏切られし者
▲童貞卒業
▲復讐者
▲酒飲みの王
▲浪費家
▲魔王軍の天敵
▲英雄
▲勇者
▲魔神
▲三勇者を滅ぼし者
▲同族殺し
▲聖人
▲廃人←NEW!
▲レベリングマスター←NEW!
ステータスを表示したところで、称号が増えている事に気が付く。
かなり不名誉な称号ではあるが、今回のレベリングのことを考えると――。
まぁ、仕方ないよな。
「勝者! カズマ!」
ステータスを確認し終えたとこで、ようやくエミリアの母親グレースの俺が勝利したという宣言が為された。
それと同時に、リーン王国のシルフィエット王女が駆け寄ってくる。
「カズマ。大儀でありました」
ニコリと微笑んでくるシルフィエット王女。
「今回、どのような経緯で、このような事になったのかは知りませんが、一度、我が国に戻ってくるのでしょう?」
「それは、どういう……」
「大丈夫です。全ては分かっていますから。彼女を――、獣人族の女性を、保護して、この国まで連れてきたのですよね?」
そう、俺に語り掛けてくるが――、
「――いえ。ここには確固たる意志があって来たわけではないわけで」
俺の言葉にピクリと眉を動かすシルフィエット王女。
「――で、でも! リーン王国に立ち会いを頼んできたのですわよね?」
「まぁ、はい」
「それなら――」
何故か勘違いしているようだが、別に俺はリーン王国に対して恩義は感じていない。
恩義を感じているのは冒険者ギルドマスターになので。
「すいません。俺は、特定の国や組織に肩入れするつもりはないです。ただ、今回の立ち合いにリーン王国が多大なる力添えをしてくれたことには感謝しています」
俺に手を伸ばしたままで氷つくシルフィエット王女。
「カズマ!」
「エミリア!」
「お母さまが、カズマの力を認めてくれました!」
俺とシルフィエット王女殿下の間に入るようにして、エミリアが俺に抱き着いてくる。
「そうか! それは良かった!」
「えっと……カズマ殿? 彼女は……?」
シルフィエット王女殿下が、何が起きたのか分からないと言った表情をしていたかと思うと、エミリアを睨みつけたあと、俺に媚びるような視線を向けてきた。
「えっと、エミリアは俺の妻です。すでに、お腹には子供もいます」
此処は下手に隠すよりも伝えた方がいいだろう。
そして俺の思惑は正しいかどうかは分からないが、「ええええええっ!」と、言う驚きを含んだ声が、観客席の方から聞こえてくる。
「え? ええ? ――こ、子供? 赤ちゃんが、すでに?」
混乱しているのが丸わかりのシルフィエット王女殿下は俺に差し伸ばしてきていた手を、どう引っ込めていいのか思案しつつも、壊れた機械のように、いきなり体から力が抜けたかと思うと、その場に倒れた。
本当に面倒な事だ。
倒れかけていたシルフィエット王女殿下を片手で支えたあと抱き上げる。
「カズマ、どうしますか?」
「とりあえず、グレース女王陛下は俺の力については納得してくれたんだろう?」
「はい!」
「――それならシルフィエット王女殿下の健康状態をまずは確認しないとな」
俺はざわついている観客席の連中を無視して城へと戻った。
城には衛兵が何人か残っていたのでシルフィエット王女殿下が滞在している部屋へと案内してもらった。
部屋に戻り、ベッドの上に寝かせたところで20人近くの人間の兵士たちが部屋の中へとなだれ込んでくる。
「カズマ様! これは、一体! どういうことですか?」
一人の兵士が出てくると、ベッドに意識不明で寝ているシルフィエット王女殿下を見て、多少、怒気を含んだ声色で訊ねてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます