第90話 太陽がまぶしいぜ!
アイテムボックスに全ての金貨と銀貨、あとは装飾されたロングソードなどを入れたあと、洞窟内を調べるが他には何も見当たらない。
「とりあえず、こんなものか……」
俺は呟きつつ、座り込みアイテムボックスを開く。
上の女性達が居る広間から降りてきて時間としては10分も経過していない。
洋服を選び着替えるとしたら30分くらいは余裕を見て置いた方がいいだろう。
「金貨277枚、銀貨が1061枚か……」
銅貨は価値が無いと判断されたのか集められてはいない。
金貨が1枚あたり日本円として10万円の価値で銀貨が1枚1000円と言うことで換算出来るから……。
「大体、日本円換算として3億円くらいか……。それなりの収入だな……。そういえば、ウッドパルプの村長とオーク討伐に関しての報酬を確認していなかったが、これでチャラいいかもな」
しばらく時間を潰す。
「そろそろいいか」
もう着替え終わっているだろう。
広間から、人が辛うじて擦れ違える程の横幅の通路へと――。
通路を登り女性達が居るであろう広間まで、あと一歩というところで――。
「あの……カズマさん……」
恐る恐ると言った感じで、広間から通路に身を乗り出して話しかけてきた女性。
「どうかしたのか?」
俺は、イーナに話しかける。
「――いえ。とくには……。ただ、カズマさんが戻ってくるまで時間があったので……」
「ああ、そういうことか。一応、女性の着替えを覗くような趣味はないからな。それよりも着替えは終わったのか?」
「はい」
「そうか。それならいい」
俺は、広間へと足を踏み入れる。
すでに全員、エミリアが普段着ているワンピースを身に着けている。
この世界は、女性は貴族でもない限りワンピースが主流なので、サイズや体格が少し離れているくらいなら問題なく服を着ることができるので、流用という面から見たら便利なのかも知れない。
俺は広間の中央部に置いた箪笥をアイテムボックスに仕舞う。
「全員、俺のあとについてきてくれ。これよりウッドパルプまで同行する」
女性全員がホッとしたような雰囲気を醸し出したのを肌で感じながら、「それじゃいくぞ」と出立の合図をする。
地上まで続く一本道――、洞窟内の通路を登り、スキルで通路を塞いでいた壁を取り除いたあと、すぐに地上へと帰還することが出来た。
「カズマ!」
視界が太陽の眩しさに慣れる前に、エミリアが抱き着いてくる。
俺はバランスを崩して倒れないように踏ん張りつつ――、周りを見渡すと無数のオークの死体が転がっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます