第76話 さあ、報復の時間の始まりだ!(7)
俺は、皆月の脇を手加減せずに横蹴りする。
皆月の体が、大木ごと圧し折れ、地面へと倒れ込む。
もちろん、その際に、ダガーを差していた両手両足は圧力に耐えきれずに千切れ――、またしても周囲にモンスター化した皆月の青い血が撒き散らされる。
「ヒールLV1」
そして、俺はすぐに皆月を回復させる。
「だから、謝罪して……」
すぐに言い訳を始めるゴミクズ。
「ごめんで済んだら! 警察も! 司法も! いらねーんだよ!」
顔面ストレートを叩きこむ。
「たしかに、司法はお前を許すかもしれねーな! だがな! そいつは、お前のパパの国会議員の力とPTA会長であり教育委員会の上の人間のママがいるからであって、罪が消える訳じゃねーんだよ! 日本の司法には欠点があってな! そいつは加害者を過剰なまでに助ける屑みてーなシステムなんだよ! 加害者は人間の屑だ! ゴミだ! 社会の害悪だ! 生きてる価値すらねーんだよ!」
殴る! 殴る! 殴りつける!
マウンティングをして、皆月に言葉を叩きつけながら、その顔面を殴り続ける。
「だからな! そんな欠点だらけの! 被害者の人権を無視するような司法が蔓延っている日本の法律なんてゴミ同然だ! 俺が、やられた分は! てめーに! そっくり! そのままお返しするぜ!」
叩きつける俺の拳をガードしようとした皆月の腕は、ステータスの差で、一瞬で破裂し両手は使い物にならなくなっている。
俺は、何度も「ヒールLV1」をして殴り、皆月が死にそうになったら、また「ヒールLV1」をして殴り続ける。
「ハハハハハハハハハっ」
楽しい、こいつが復讐を――、復讐を果たすってことか!
「ハァハァハァ」
いつの間にか俺の息が上がっていた。
ふと気がつけば、マウンティングしていた皆月の瞳からは光が消えていて、何の反応も示して無い。
「ヒールLV1」
「……もう、もう殺して……」
回復させると同時に譫言のように呟く皆月。
「ちっ! ――なら死ねよ!」
もう十分、やり返した。
俺は、ダガーをアイテムボックスから取り出すと皆月の頭上に向けて振り下ろす。
「――なっ!?」
――だが、その刃は、皆月に届くことはなかった。
何故なら……。
「カズマ。何をしているんですか?」
「エミ……リア?」
俺のダガーの刃を受けたのは、エミリアで、彼女は自分の腕でダガーの刃を受け止めていた。
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