第74話 さあ、報復の時間の始まりだ!(5)
もちろん大きさは20センチ近い蜘蛛だ。
「ヒールLV1」
ここで殺してしまってはもったいない。
体を回復魔法で修復すると、すぐに皆月は気がつき、土下座をしてくる。
「も、もう……やめて……。謝ります。私が、やってきたことは全て――」
「おいおいおいおい。俺は謝ってくれなんて一言も言ってないぞ?」
俺は、そのまま皆月の頭を踏みしめる。
バギッ! と、言う音と共に皆月の首がおかしな曲がり方をしていたが、すぐに「ヒールLV1」でギリギリな所で治す。
そして、目を覚ました皆月は「ヒイイイイイイイ」と叫びながら魔法『ファイアーボール』を撃ってくるが、俺はそれを片手を振るっただけで消し飛ばす。
「――そ、そんな……」
「まだ、そんな元気があるとはいいことだ! さあ、皆月――。お前は、俺をどこまで楽しませてくれるんだ?」
俺が横薙ぎに振るったグレートソードは皆月の頭と胴体を切り離す。
そして、瞬時に「ヒールLV1」で修復。
「あ、ああああ……」
何の手立ても――、何の反撃も意味為さない事に気がついたのか皆月は、もはや言葉を失い恐怖に震えているだけ。
「やれやれ――。反撃してきてもいいんだぞ?」
「そ、そんな……。私は勇者で――」
「今は、魔王軍四天王の一人だろ? さすがに俺も恐れ言ったぞ? 俺を殺そうとしたばかりか、多大な報酬や身分すら貰っている異世界の人間までも殺そうとするなんてな! まぁ、この世界の問題は、この世界の連中が本来は片付ける問題だとは思うが、それとこれとは話は別だからなっ!」
皆月の角の掴み、顔面に向けて膝蹴りを入れる。
あまりの威力に、皆月の頭のバッファローのような角が2本とも折れる。
「アアアアアアアアアアッ」
脳に直接繋がっていた角だったのだろう。
膝をつき痛みから、今までよりも! より一層! 痛みにもだえ苦しむ皆月。
「ヒールLV1! さて――、皆月、昔話をしようか」
俺は4本のダガーを投げ皆月の両手両足の甲を大木に縫い付けながら口を開く。
「お前、俺を虐めていた時に言っていたよな? 自分の母親はPTA会長で、お父さんは国会議員で、自分は上級国民だから罪に問われることはないと」
「それは……」
「そのあとに、俺の両親が警察を通して暴行罪で訴えようとした時に、お前の親父さんは俺の両親に暴力団を使って圧力をかけてきたんだよな」
「……」
「――で、拉致られた俺の親父は暴力団に殴られて、怪我をさせられたばかりか勤め先に国会議員のお前のパパからの圧力で仕事まで失ったわけだが……」
「なあ? 皆月、てめーは、この事をどう思うよ?」
「それは、ごめんなさい……」
俺は、アイテムボックスからダガーを取り出し皆月へと投擲。
それは寸分違わず、皆月の腹に突き刺さる。
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