父は乳の支配者、母はマラの支配者。そんな変態的な両親から生まれた僕は幼馴染の為に能力を惜しみなく使う

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父は乳の支配者、母はマラの支配者。そんな変態的な両親から生まれた僕は幼馴染の為に能力を惜しみなく使う

 僕の両親は都で一番有名だ。なんたって、父は乳を支配し、母はマラを支配する事が出来る。何を言ってるかわからないと思うけど、僕もわからないから許してほしい。


 そんな両親に育てられた僕にどんな能力が生まれるのか? 周囲からは好奇の目で見られ、物心がつくようになってから、ずっと自分の能力を秘密にしていた。救いは両親が能力を使用している時以外、一般常識があった事だ。


 そしてそんな変態的な両親を持つ僕でも、仲良くしてくれた幼馴染がいた。今も街へ一緒に遊びに行く予定だ。


「おっ、いつもうちの子と遊んでくれてありがとうな。お礼に乳をでかくしようか?」


 まさかの仕事中に父と出会ってしまった! 普段は寡黙な父も仕事中の父は支配者モード。出会い頭にいう言葉ではないが、これが平常運転である。


「あらあら、仲が良くていいわね。アレをする時はうちの子のマラを理想のサイズにするから言ってね」


 さらに母まで参戦! アレってなんだ、アレって!! 親のいう台詞か!?


「ちょっとやめてよ! 今から出掛けてくるからね! もう余計な事を言わないでよ!!」


「アハハ、ありがとうございます。ではいってきますね」


 あんなに変態的な事をいってくる両親を対しても普通に対応してくれる、まさに天使のような女の子だ。


「いつもごめんね。あんな両親で」


「ううん、面白いご両親じゃない? 私は面白い人でいいと思うよ」


 こんな天使、二度と会えないと思う。はっきりいって僕は幼馴染が好きだ。今日、このお出かけの最後にプロポーズして、将来結婚するんだ! まだ出かけたばかりだけど、既に心臓がバクバクいってる。


「今日はどこいくー?」


「え? うーん、この前本屋は行ったし、どこか雑貨でも見に行こっか?」


 そんな他愛もない会話をしながら、人々が行き交う街道を手を繋ぎながら移動している。そして、こちらをチラチラ見てくる不躾な視線。さすがに慣れたものだけど、気持ちいいものじゃない。せめてもの救いは幼馴染にその視線が向けられてない事だ。


「あんなの気にしちゃ駄目だよ」


「ありがとう」


 こんな時でも気を遣ってくれるなんてマジ天使。そんな感じでいつもどおり店を適当に見て回りながら街をフラフラしていると、気になる事を話している声が聴こえてきた。


「おい、最近人攫いが出てるらしいぞ。この前連れ去られたのを目撃したやつがいたらしい。必死に追いかけたけど撒かれちまったんだと。今月だけで、五人は行方不明らしいな。可哀想に……」


 おいおい、人攫いって……。思わず、幼馴染の手を握る力が強くなる。


「大丈夫だよ。そんな都合よく、狙われる事なんてないって」


「だよね。うん、心配しすぎだよね」


 うん。そんな都合よく攫われる訳ないじゃんね。








 なんて思っていた時期が僕にもありました。あぁ、この人達が噂になってる人攫いだよね。路地裏の壁際まで追い詰められても、どこか他人事のように考えながら相手を見てみる。


 そこにいるのは十人前後のいかにもって感じのゴロツキ。ボスっぽいのは女でまさに女首領って感じの出で立ちである。そしておっぱいが大きい。まぁ僕の幼馴染には負けるけどね。


「ハッ! サイズより形が大事なんだよっ」


「形だって僕の幼馴染の方がいい!」


「あ、姉御? な、なんの話をしてるんでやんすか?」


「さすがの私もちょっと恥ずかしいよ……?」


「「だって、こいつがおかしな事をいうから!!」」 


「中々強気な坊やじゃないか。連れ帰ったらたっぷり可愛がってから売っぱらってあげるよ」


「そこの女も俺達がしっかり味見してからやるから安心しな、へへへ」


 わかりやすい悪党どもだ。だが、そうはさせない。


「僕の好きな人に手は出させないぞ!!」


「私も好きだよ!!」


 えっ!? こ、これプロポーズじゃん!! しかもオッケーもらっちゃってるし! やった、やったーーーー!!


「あたい(俺)達を無視すんじゃねーー!!」


「ガキ共、盛ってねぇでおとなしく俺達についてくるんだ!!」


 多勢に無勢だ。普通に戦ったら、僕はボコボコにされ、幼馴染は慰み者にされてしまう。まぁ、普通に戦ったらだけどね。


 右手を前に出す。まずは一番手前にいるこの男からだ。


「お? 何だ、その手は? そんな事したってなんもあばばばばばばばば」


 狙いを定めた男のマラがこれでもかって位に膨張し、そして果てた。それと同時に白目を向き、失神してそのまま倒れてしまう。


 突然の事に以外、時が止まったように動かなくなる。あれ? 何で幼馴染も驚かないんだろ?


「坊や! いったい何をしたんだい!?」


「そんな事教える訳ないだろ? けどこれで手を出せばどうなるかわかるだろ? 今、凄く気分がいいんだ。このまま自首をするなら許してあげるけど?」


 人の感度を自由に操作出来る、これが僕の能力だ。父が乳、母がマラ、僕が感度。ほんと、どうしようね? まさにあの両親に勝るとも劣らない? 能力を持って僕は生まれたのだ。ちなみに今のは極限に感度を上げた事でズボンに一擦りする度に果て続け、果て過ぎた事で失神してしまったのだ。


「く、くそ。えーい! お前らビビってるんじゃないよ! 一斉に行きな!!」


 一か八か、僕達を一斉に襲いかかる為に走り出そうとしたその時、女首領の胸が最初からなかったかのように真っ直ぐになった。


 女首領が立ち止まってしまった事で、思わず立ち止まってしまう人攫い達。そして屋根から聴こえてくる高らかな声。


「ハハハ!! うちの子に手を出すなんて、運が悪い奴らだ! 私達夫婦より、その子は天才なんだぞ!」


「そうよ、うちの子は天才なのよ!! 大人しくしておく方が身のためよ」


 何でここに来たんだ、そしてそこは人んちの屋根だ、父と母よ。しかも完全に仕事用の支配者モードじゃん。


「「息子と将来の娘の心配をしない親がどこにいるっていう(の)んだ!!」」


「お、おう」


「ま、まさかあの二人は乳の支配者に、マラの支配者……? そこにいる坊やって息子だったの……?」


 失ってしまった胸を確認しながらぶつぶつと独り言をいっている女首領。今更気づいたところでもう遅い。父に消された乳は父にしか戻せない。何これ、早口言葉みたい。そして支配者モードになった両親に慈悲はない。


「今度は私の番ね」


 指をパチンと鳴らした途端に、チンピラ達が下半身を触り始める。


「な、ないぞ!」


「お、俺の息子が!」


「そ、そんなまさか。うそだろおい!!」


 女首領と同様、現実と向き合えないチンピラ達。これだけで戦意喪失だ。僕だってそんな事されたら戦意どころか生きる気力を失う。そして残るは女首領のみ。漸く現実と向き合えたのか、僕達の方を睨んでくる。


 そして叫びながら特攻するように僕達に向かってくる、女首領。それに対し、僕は先程と同じように右手を前に出した。


「そんなの、舌でも噛んで我慢すればどうって事ないんだよ!! せめて坊やだけでもやらないとあたいのプライドが許せないよ!!」


「その程度で我慢出来る訳ないだろ?」


 力を込めた途端に、動きがにぶる女首領。唇から血が出ているが、その程度で抑えられる筈がない。その気になれば快楽死すら容易く出来るんだぞ? 膝がガクガクして産まれたての子鹿のようになり、一歩も動けなくなる。なんとか意識は保ってるが、それだけだ。気がつけば女首領の足元は水浸し。そしてそれを見た幼馴染の熱い視線。ここだけが予定と違う。


「く、くそっ。こ、こんなの無理よおおおおお!!」


 来る時も絶叫して止まっても絶叫している。忙しいやつだな、そして先程のチンピラと同様、白目を向いて自ら溜めた水溜りにダイブした。それを見てなぜか頷く両親。そして僕に寄りかかってくる幼馴染。


 それにしてもさっきから顔を赤くしてずっともじもじしている。どうかしたのだろうか?


「いつか私にもそれ、使ってくれるんだよね……?」


「えっ?」


 幼馴染はそういうと、蠱惑的な目で僕を見てきて、舌なめずりをする。プロポーズに成功し、幸せな生活が始まると思ってたけど、前途多難なスタートになりそうだ。


 けど、そんな幼馴染を見て、どこか喜んでいる僕はきっと、あの両親の子なのだから仕方ないのかもしれない。

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