第3話 4人の化け物とその子孫

転生についてオーディストから話を聞き、異世界での詳しい話を聞いた。

「お主が次に行く世界には精霊魔法というものがある。」

「精霊魔法?」

またワクワクするような単語が出てきた。それはあれか?俺も魔法が使えたり…。

「精霊魔法には主に4つある。それは風、水、火、地の4つ。そして向こうの世界では使える魔法の難易度や威力でそいつの強さのランクを付けていく。最低はF〜最高はSまで存在する。」

「なるほど!そんで、俺はどの魔法が使えるんだ!?アニメの定番なら全魔法使えてしかも最初から強力な魔法が使えて世界最強ってのが相場だけど!」

観てきたアニメでのことを自分でも使える!そんで美人な姫を魔族の手から助けてお礼になんでも…ん?今なんでもって、みたいな。一人で妄想することが生き甲斐といっても過言では無い。

と盛り上がってきたところに爆弾が…。

「残念じゃがお主には4つの精霊魔法の適性が無かったんじゃ。4つの魔法全部使えん」

は?

嘘…だろ…。何の為に転生するんだよ…。

「じゃが安心せぇ。その代わりお主には別の適性が出てきた。しかも向こうの世界では誰にも使えん魔法適性じゃ。」

何を安心しろってんだよ…。向こうの世界で使えるものが俺に使えない。しかも向こうの世界では使えないものが俺に使えるって、厄介ごとに巻き込まれる未来しか見えないんだが…。

「んでなんの適性があるんだよ」

もはや投げやりに聞いてみた。どうせろくでもない適性なんだろうなぁ…攻撃とかできなくて補助とかの類じゃねえのか…?

「お主には雷の適性が生まれておる」

「ふーん、雷ねぇ」

ん?雷?それってあれか?某海賊の神様みたいに使えるのか!?

「おいおいおい!それって空から雷を10個くらい出せたり…」

そこまで言ったところで遮られてしまった。

「まず無理じゃ。まず天候を操るってのがもはや神の域に達しておる。次の世界で天候を操るやつなんてものは存在せん…今はな。お主にできることは、雷を纏って戦うくらいじゃ、肉弾戦じゃ」

めっちゃ地味じゃん…。

肉弾戦とか誰が好むんだよ…、てかオーディストの話の中で引っかかった部分があったんだが。

「お前さっき、天候を操るやつは今は存在しないって言ったか?」

「ふむ、言ったが?」

なにさらっとなんでもないように流してんだよこのじじい…。

「じゃあ昔は存在してたってことか?」

それが本当ならもしかしたら次の世界ではヤバいやつはチラホラいる可能性が高いってことになるな。…。

「左様。基本的に種族には人族、魔族、エルフ族、ハーフと分かれておるが、人族の4人のそやつらは各属性の頂点に君臨しておった。そやつらは畏怖と敬意を称して『風帝』『炎帝』『水帝』『地帝』という呼び方で人々に崇められておった。そやつらの能力は簡単に世界を変えれる程の強さが故に、4人の中で世界平和協定が結ばれた。その協定により、互いが互いを牽制し、もし戦争でも始めれば3vs1でボコボコじゃったろうな。」

あまり想像したくない光景なんだが…。

「そいつらは自分の強さを戦争以外で見せつけあったりしてないのか?」

そんな強さ持ってたら誇示したいけどな…。

「そやつらの力は自分の子孫に受け継ぐようにしたようじゃぞ。」

「え?」

「じゃから子孫に受け継がせ、その子孫に強さを証明させるようにしたようじゃ。おそらくお主が蘇生された時には同年代じゃなかろうかのう」

さらっと二度目の爆弾投下。もはや被弾は避けられない。転生後波乱しかねえな…。

俺は最後に神にこう言い放った。

「Fuck!!!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る