第2話 神のお告げ
死んだ…そんなこと告げられても一切実感がない。そんなすぐ受け止められる訳ないだろ…。そもそも現に俺は此処にいるじゃん…。
「おいおっさん、死んだってどういうことだよ!デタラメ言うんじゃねぇよ!第一死んだってどうやって死んだんだよ!」
「だからワシの名前はオーディストだと言うとろうに。お前さんは雷に打たれて死んだんじゃよ…つまり落雷事故じゃな。近くの木の側に近づいた瞬間直撃じゃ。雷で死んだことなんてそりゃ覚えとらんのも無理もないのぉ」
確かに雨がひどくて雷も鳴ってたのも覚えているが…雷に当たる確率ってどのくらいだよ…。
「まぁ一般的に雷が直撃する確率は100万分の1と言われてるみたいじゃぞ。」
さらっと人の考えてること読み取ってるぞこのじじぃ。てか100万分の1って…雷じゃなくて宝くじが当たれよ…。
「現にお前さんの体を見てみぃ。雷が直撃した証が刻まれておろう。」
ん?証?
「リヒテンベルク図形という傷跡じゃ。雷に打たれたやつにしか現れない珍しい跡じゃが、これでお前さんが雷に打たれて死んだってことが証明されたであろう?」
確かに…俺の体にあちこち跡が出来ている。ホントに俺は死んだ…のか…。死んだってことは…死んだってことは…っ!
「アニメの続きが観れないじゃねえかーー!どうなるんだよ!もう少しで最終回だったんだぞ!原作もまだ未完な作品多くて…くそーー!」
「お主…未練が見残したアニメとは…。もう少しなんか無かったのか…」
「うるせー!俺にとっては死活問題なんだよ!ったく…。そうだ、じじい!神様なら蘇生とか無理なのか?アニメの最終回を教えてくれるだけでもいい!頼む、教えてくれ!」
「現実世界での蘇生は無理じゃ。勿論お主が観てたアニメの最終回がどうなったのかもワシには分からん」
くそったれ!なんて使えない神様なんだ…!未練タラタラで死ぬなんて…。あぁ…美沙ちゃん幸せになったんだろうか…死んでも死にきれ……ん?今このジジイ現実世界での蘇生はって言ったか?現実世界じゃなかったら蘇生出来るのってことなのか…?
「なぁ今現実世界での蘇生は無理って言ったか?なら現実世界じゃない場所で生き返ることは出来るってことなのか!?」
「ふむ、その通りじゃ。お主が生きていた世界とは別の世界、お主の世界の言葉を借りるなら『異世界』というべきかの。そこでの場所でなら蘇生は可能じゃ」
ま、まじかよ…。遂に俺自身も転生!アニメを観てきて異世界に転生出来たらって何度も考えたことはあるけど!本当に転生出来るのか…!アニメが観れなくなることはかなり辛いことではあるが…それと引き換えに異世界行けるんなら死んでよかったとも思える!
「すぐにでも転生させてくれ!オーディスト様!」
「現金なやつじゃのぉ。まぁよい。転生にあたってはいくつか条件というか制約がある。」
「制約?」
「まず1つ目は転生先なんじゃが、ランダムじゃ。治安が良いところもあれば悪いところもある。だが場所は指定出来ん。2つ目は年齢は3歳に戻しての蘇生になる。知識や記憶は元の世界のお主を引き継げるのじゃが、体に関しては3歳の体になる。そして3つ目じゃが、おそらくお主は転生した場所で一人で生きていくことになる。」
「は?1人?」
「誰かの子供になるってことではないんじゃ。3歳の体で衣食住どうにかしなきゃいけない。治安が良い場所でなら拾って育ててくれるやつもおるじゃろうがのぉ。ちなみに次の世界で死んでしまうと二度と蘇生は無理じゃ。どうするかえ?」
「無論行くさ!こんな機会二度と無いからな!1人だろうと元の世界の記憶や知識があるんだからなんとでもなる!」
不安はあるが、何よりアニメで観てた世界で冒険できるようになるんだ!ワクワクしない奴なんていないだろうよ!
第二の人生…。さぞかし楽しくなる予感がしてきたぜ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます