アフター転生の波打ち際で
困った時の異世界だのみ!
転生よふたたび!
切羽詰まればトラックに轢かれればいい!
そんな投げやりな言葉が飛び交い、文明の進歩は止まりました。次代を担う若者を大量に失ったツケが来ました。
転生トラックとはいったい何だったのでしょうか。
Nextキャンペーンの終了と同時に忽然と消えてしまったのです。
しばらく社会はパニック状態に陥りました。
Nextキャンペーンを助言した賢者達にも製造法がわからないというのです。ノリで無双してみた、なんて言われても困ります。当然、彼らは血祭りにあげられました。
「胸糞な夏だった」
「いやでも思い出してしまう」
「往かせなきゃよかったよ」
移り変わる季節は人々のトラウマを癒してくれません。
人類が衰退したあとも自然破壊は止まりませんでした。
地球温暖化や環境汚染はとうとう植物プランクトンを絶滅に追いやり、アマゾン川流域を完全に砂漠化しました。
状況が閉塞すればするほど人々はあるはずのない転生トラックを世界中に探し求めました。
製造法を隠蔽している疑惑が国家間に飛び交い、核が飛び交いました。
太平洋は干上がり、
地球はもう長くありません。
このシェルターの生存者は私ひとりです。
廃墟から古い電子部品をかき集め、壊れていたスマートフォンをどうにか修理し、ソーラーパネルを組み上げ、HTTPプロトコルが使える環境を整えました。
私は今、アパッチサーバーの前にいます。タワー型ケースの中でマザーボードとSSDが活きています。スマホからWi-Fi接続が可能です。
このような苦労を重ねる理由がわかりますか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます