第36話「愛してる」と言いながら。

あなたと出会った日

その笑顔にときめいた。

胸が高鳴った。

一目ぼれだった。

「好きです」

と告白したのは、私。


平凡だった人生に

華やかな色彩が加わり

私の生活が変わる。


苦手だった料理に挑戦したり

あなたの好きな推理小説も読んでみた。


そんな生活に、陰りが差し始めたのはいつからだろう。


あなたの優しい言葉は

私の心を包んでくれるけれど

あなたの行動が私を不安にさせる。


スマホ

テーブルに置かなくなったね。

常に、自分のそばに置いて

トイレにも持って行く。


「明日、休みだったのに仕事が入った」

「今晩、残業」

そう言って、一緒にいる時間が減ったよね。


ねぇ、好きな人ができたの?


もしそうなら、はっきり言って欲しい。

「愛してる」って言いながら、離れていくのは卑怯だよ。

心が、苦しいよ……。


私の心が壊れる前に、本当のことを教えて。

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