二年間
HHH
長いようで短いような
季節は春を超えかなり早い梅雨がやってき
た。この時期になると我に返ったように。電
池切れのロボットに電池を入れ直した時のように今年の前半を思い出す。もう五月だ。あまり実感が無い。だが確かに私が歩いた道は存在しているのだ。
突然だが私は梅雨が好きだ。肌にまとわりつくようなウザったい感触が好きな訳では無い。夜。窓を開けた時しとしととリズム良く雨音が聞こえて心地よい風が入ってくる。これが堪らなく好きなのだ。こうも心地よいと色々と感傷に浸ってしまう。ふと。一年と十ヶ月前のことを思い出す。
一年と十ヶ月前。私は同じように椅子に座り。感傷に浸っていた。しかし今とはかなり現状が違う。当時は心の余裕が無かった。社会から拒絶されこの社会に私の居場所なんてないんじゃないか。感傷に浸っても考えることは未来のことだ。何故かは恥ずかしいのでここでは割愛する。そう考えるとこの一年と十ヶ月というのはとてつもなく重い物であると認識できる。この間に随分と私も様変わりした。昔よりは心に余裕もできた。未来が晴れた訳では無いがそれなりに明るくはなっただろう。少なくとも。昔。私が想像した未来とは全くの別物だ。なんだ。未来を考えることなどとても無意味ではないか。しかし人は口を揃えて言う
「未来のことを考えなさい」
未来なんて想像しても結局意味無いじゃないか。一時間後の野球の結果すら全く分からないのに。
ここまで書いて疑問に感じた読者も多いだろう。何故一年と十ヶ月なのか。中途半端ではないか。ごもっともだ。私もそう思う。だがこれには理由がある。前にこういった物を書いたのは二年前の夏なのだ。夏に書いたものを五月に二年と書くのはどうだろう。約二年でもよいが何かしまりがない
思い出す。書いてた場所は確か無料開放のベンチだ。炎天夏。影すらない太陽の下で私は書いていた。ジリジリと身を焼くような暑さに肌が涙を流しても。頭がボーっとしても。社会に存在を叫ぶように書いていた。二年は長い。コロナで短く感じたが本当に長い。何故か丁度二年置きに私は日記的な短文を書いている。何か決めた訳では無い。長い文でもない。それでも二年後私は同じように書くのだろう。何故だろう。暑くて嫌なはずの夏がととも恋しい。何にせよあと二ヶ月だ。
確かに歩んだ道としてこの駄文な短文をここに置いておく。
二年間 HHH @HHH01
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