第4話 さあて。学舎で細工を始め――ええ!? なんですのソレは!? マリィ視点(1)
「……………………。……………………………………」
夜会から2日後の、月曜日の朝。今日も渋々お姉様と一緒に登校したわたくしは、学院の出入り口で唖然となっていました。周囲にいる生徒と一緒に、唖然となっていました。
『え? ぁれれ? これ、夢?』
『あたし達、夢を見てるんだよね? そう、だよね……?』
下級生のお二人。残念ながら、これは夢ではありませんわ。
だから……。だから……。
テオ様がツインテールになって、バカでかい丸眼鏡をかけている。
それも、事実なのですわ……っ。
「てぇっ、テオさまぁ!? 一体全体どうなさいましたの!? その髪型と眼鏡はなんなんですのぉぉっ!?」
ソレらはっっ! 貴男の長所を全て消してしまっているソレらは、なんなんですのっっ!?
「おはよう、ジュリエット、マリィ。これはだな、ジュリエットを守るための対策なのだよ」
「た、対策……? それは、どういう……?」
「聴取の結果、マイリスの動機は『嫉妬』――俺がジュリエットと仲良くしている事が許せなかったそうだ。そこで第2第3のマイリスを生み出さぬよう、ジュリエットが嫉妬されないようにしたのだよ」
ジュリエットが嫉妬されないようにするには、どうすればいいか?
残念ながら、会話での解決は難しいだろう。
ならば……………………そうだ。俺が周囲に、異性として興味関心を持たれないようになればいい。
との理由で、こういった出で立ちになって……。卒業するまで、この姿を続けるそうです……。
((そ、そんな……。こんな事を考え実行するだなんて……。これでは、駒を焚きつけられませんわ……))
マイリスと同じように、嫉妬心を煽って動かすつもりだった。でも、このせいで……
『テオ様……。あれはないよね……』
『格好もそうだし、その考えもねぇ……。元会長って、こんなにもネジが外れた方だったんだ……』
3人用意していた作戦その2の駒達も、御覧の有様。顔にしか興味がなかった彼女達は超高速で興味を失くしていて、焚きつけられなくなっています……。
((マズイ……。このままでは、マズいですわ……っ。何とかして、元通りの姿にさせないと……っっ))
作戦その3はその1その2と異なり、わたくしにとってもリスキー。そのため何としても、その2で決めなければならない。
((どうすれば……。どうすれば、いいんですの……っ?))
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