-第2話-突然の来訪者
今回から分量多くなります!
初めての投稿なのでどこで区切ればいいのか全く分かりませんw
※※ ※※
いつものように授業を聞き流しているといつの間にか4限の終礼を報せるチャイムがなっていた。
俺はいつも昼食をとっている定席の屋上へあがる階段が取られないようにと、急いで弁当を持ち教室から出ようとした。
「おいおい安芸さんのグループの人だよな?」
「なんか用事あるのかな?」
いつもドア付近にたむろしていて邪魔くさい陽キャたちが、話を止めて俺の向かう先を見ていた。
クラスの男女の声が向く先を見てみると、俺がいつも階段へ向かう時に使うドアに安芸さんの取り巻きと思われる茶髪の女の子が立っていて、とてもではないがみんなの視線が集まるところを掻き分けてでもしないと通れる状態では無かった。
しかし、反対側のドアも陽キャたちが溜まりこちら側のドアを見ているのだ。俺の昼食...どうしたものか。
「ねえ、あなた」
その女の子が教室の誰かを呼ぶように手招きをしている。
あの学校一の美少女の安芸さんの取り巻きからの呼び出しなんて重大な用事なのに名乗り出ないやつは誰だ。
早くどいてくれないと俺がご飯を食べられないのだが。
「ねえってば」
1分以上経ったが未だに手招きをしている。
俺がいつまで経ってもでないその呼び出し相手に苛立ちを覚えていると、ついにそのクソ野郎の名前が彼女の口から出てきた。
「早く、山口くん」
あ、俺でした。え、俺?
俺はいつも適当に生きているから彼女たちヒエラルキーの1番上、言ってしまえばバラモンのような人たちから呼ばれる理由はない。
もし俺が本当に呼び出されているのだとしたら考えられる可能性としては教員からの伝言、罰ゲームの告白でみんなから影から笑われれることくらいだろう。
「え?俺ですか?山田さんとかの間違えではなく」
「そうですよ。そもそもこの学年に山田さんなんていないし早く来て欲しいです。」
俺はドアに近づきたくないので渾身の大声でそう告げたが、答えは変わらなかった。
クラスメイトからのなんでいきなり大声出しているんだという視線が痛く、早くこの教室から出ていきたかったので、仕方なくついて行くことにした。
思い返してみれば学校で女の子と歩くどころか、他の人と2人きりで歩くのって久しぶりだな。
中学生くらいからもうほとんど学校では1人で生活してるからだけど。
横をチラリと見ると栗色の髪を首の辺りまで伸ばしていて、歩く度に髪が揺れて時々見える耳が美しい。
「あれ?梨花ちゃん彼氏でも出来たのかな?」
「いや、でも隣で歩いてるあの人見たことないよ」
俺は、廊下を歩く生徒から次々と振り返られて驚嘆の視線を向けられていた。
うちの学校はマンモス校だから同じ学年でも知らない人がいてもおかしくないと思うけど、隣を歩いている少女は安芸さんの取り巻きとして有名だ。
やはり、俺がそんな女の子に絡まれる理由が見当たらないな。
「ねえ、何のようなの?」
「お願いがあるのですが、大丈夫ですか?」
「いや、俺は帰ってもいいかな?」
「ダメです。聞いてみるだけでもいいので」
俺が曖昧な言い方をされたらすぐ逃げるのを感じたのか、絶対にダメと言われてしまった。
彼女について行っているのだがいつもと通る道は同じだった。
俺はなんで呼び出されているのか分からないまま2年生の教室の前の廊下を通り、屋上へ向かう階段を1階、2階と登っていくのだった。
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