解説
シラクス王ディオニスをシュラクサイの僭主ディオニュシオス一世と解釈し、『走れメロス』の視点を逆にしてみた。『走れメロス』元ネタの『ダモンとフィンティアス』は、実際にはディオニュシオス二世時代の話とされており、ピタゴラス学派と反ピタゴラス学派の政治闘争をベースにした(新プラトン主義者の)プロパガンダの側面がある。しかし、ディオニュシオス二世時代はシュラクサイの王権は不安定でディオン派と反ディオン派の政治闘争が延々と続き最終的にコリントスに征服されて終わるので、政治闘争劇向きだが、主人公を純朴なメロスにすると話がぶっ壊れてしまう。この時代に比定すると主人公は聡くなければ成らない。反ピタゴラス派に貶められたフィンティアスを処刑させない為に、ディオニュシオス二世の側近が一計案じた感じで構成した方が良い。なお、鈴木三重吉の『デイモンとピシアス』はディオニュシオス一世と解釈しているようである。
ともあれ、この時代のギリシアは戦争ばかりで全く平和ではなかった。BC413ー415はアテナイによるシケリア遠征があり、BC410からカルタゴによるシケリア戦争が始まる。恐らくペストも蔓延していたと思われる。
走ろメロス みし @mi-si
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