第9話

福原くんと、アフレコスタジオに向かう。

福原くんの運転する車でだ。


僕は免許は持っているが、極度の乱視なので運転はしない。


「いつも、迷惑かけるね」

「いいんですよ。私、運転好きですし・・・それより」

「それより?」

「先生は、早く結婚したほうがいいですよ。さすがに私も私生活には首を出せませんし」


福原くんは、最近出産したんだな。

もっと、休みたかっただろうに・・・


「先生、着きましたよ」

アフレコスタジオに着く。


「わりと、小さいんだな」

「これでも、広いみたいですよ」


車を降りると、担当とアニメスタッフの方が、出迎えてくれた。


「じゃあ、私は車を駐車してきます」

そう言うと、福原くんは駐車場へと向かう。


「先生、お待ちしていました」

スタッフのひとりに声をかけれる。


「もう、スタンバイしています」

こうして、スタジオの中へと向かう。


そこにいた声優さんたちを見て、驚いた。


「すみません。今日は何年の何月何日でしたっけ?」

スタッフも担当も、キョトンとしたが、すぐに教えてくれた。


「2004年の9月26日です」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る