第3話

僕は、高校在学中は授業とトイレ以外は、基本は教室から出なかった。


でも、今僕がいる世界は、おそらくは幻だろう。

本当に、戻ったわけではあるまい・・・


なので、教室から出てみることにした。


「あっ、お前が教室から出るなんて、珍しいな」

ひとりの男子から声をかけられる。


こいつは確か・・・

森田・・・

森田茂。


あまり話さなかった僕と、数少ない会話があった人物。

といっても、微々たるものだが・・・


高校卒業後は、地元私立大学に行ったんだな。

その後は知らんけど・・・


「俺も、付き合う」

「彼女はいいの?」

森田は、クラスメイトに恋人がいた。


破局したが・・・


「いんだよ。あんなのほっといても」

「あんなのって・・・」


このころからもう、冷めていたのか・・・

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