第2話

「山村くん、また徹夜したの?」


休み時間になると、女子が話しかけてきた。

彼女はたしか・・・

だれだったっけ?


「まあね」

「深夜ラジオもいいけど、寝ないと体に悪いよ。

奈美、心配なんだからね」


そうだ。

神戸奈美さんだ。

高校生にもなって、一人称が自分の名前だなんて、

不思議に思っていた。


このころは、よく深夜ラジオを聴いていたな。

よくハガキも採用されていた。



「奈美」

「あっ、ちょっと待って。じゃあ、山村くん、またね」

「うん」

僕に手を振って。友達のところへ走って行った。


神戸さんは、大学受験に失敗して、旅行会社に就職したんだな。

その会社は、数年後につぶれたので、その後は知らんけど・・・


高校時代、僕は孤立していた。

声をかけられたら対応するが、自分からは声をかけない。


それは、中学時代のいじめがトラウマとなっていて、

それが、高校でも続いていた。


今は、塩対応はしなければよかったと、後悔している。

まあ、後の祭りだが・・・

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